本研究では、下顎癌術後患者を対象とし①経時的形態および機能の変化を調査すること、②術後の顎位の偏位に伴う形態異常や口腔機能障害に対する非外科的治療法の確立を目的として研究を行った。 CT画像評価にて下顎復位装置装着により正常に近い位置へ移動し、摂食嚥下障害のグレードや睡眠時無呼吸指数も改善した。 次に、3年以上前に下顎復位装置を装着した症例を対象として、①腫瘍原発巣、②上下の平均残存歯数、③上顎顎欠損の有無、④中断群の装置使用期間と中断理由について調査したとこと、中断につながった有害事象としては歯痛や動揺・破折・抜歯などの歯に関するものが多い傾向であり、装置の素材による差はなかった。
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