研究課題/領域番号 |
25463020
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
藤島 昭宏 昭和大学, 歯学部, 講師 (50209045)
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研究分担者 |
堀田 康弘 昭和大学, 歯学部, 講師 (00245804)
宮崎 隆 昭和大学, 歯学部, 教授 (40175617)
山本 雅人 昭和大学, 教養部, 准教授 (50277844)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | セリア安定型ジルコニア / せん断接着強さ / 表面改質処理 / トライボケミカル処理 / プライマー処理 / MDPモノマー / シランカップリング剤 |
研究概要 |
Ce-TZP/A(P-nano ZR, Panasonic health care Japan)は,セリア安定型ジルコニアとアルミナの複合材料であり,イットリア安定化型ジルコニア(Y-TZP)に比べて,顕著に高い曲げ強さと破壊靱性値を示す歯科用セラミックス材料である.申請者らは,現在までにCe-TZP/Aによる補綴装置についての臨床研究を展開し,コーピング材料としてだけでなく有床義歯のフレームワーク材料への応用の可能性を着想するに至った. しかし,Ce-TZP/Aを有床義歯のフレームワーク材料に応用するには,床用レジン材料に対する接着性の向上は必要不可欠である.このため,本研究では,Ce-TZP/Aに対する接着性の向上のための表面処理方法についてせん断接着試験の結果から検討を行った. せん断接着試験結果,Ce-TZP/A に対する床用レジンの接着強さは2MPaであったのに対して,サンドブラスト処理後に10-methacryloyloxydecyl dihydrogen phosphate (以下,MDP)含有プライマーで処理すると23MPaの高い接着強さを示した.また,トライボケミカル処理で接着面をシリケート層に表面改質し,シランカップリング剤(以下,SCA)で接着させる複合処理(Combination treatment)を施すことにより最高の26MPaの接着強さを示し,床用レジン内での凝集破壊を生じていた.このため,Ce-TZP/Aに対する複合表面処理法は,他の表面処理方法よりも煩雑であるものの,床用レジンの接着性向上に対して有効な表面処理方法であることが判明した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した「研究の目的」どおりに順調に研究が進行し,床用レジンに対する接着性向上のためのセリア安定型ジルコニアの表面処理方法について,おおむね目安がついた.
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今後の研究の推進方策 |
床用レジンに対する接着性向上のためには,セリア安定型ジルコニアに複合表面処理が最適であることが認められたため,今後は接着耐久性について評価を行い,さらに複合表面処理法の臨床的な応用方法に関しても検討して行く予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は,旅費と謝金を他の研究費から支払ったため353,627円の科研費を次年度に繰り越した. 本年度の科研費と35万円の繰越金を合わせて,接着面清浄化のためのプラズマ発生装置を購入する予定である.
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