研究課題/領域番号 |
25463022
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
田坂 彰規 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (90453761)
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研究分担者 |
添田 亮平 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (30615381)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 咀嚼 / ストレス / 咬合 / コルチゾール |
研究概要 |
咀嚼によるストレス緩和について様々な研究がある。その中で精神的ストレス負荷後にチューイングを行うことによって、ストレスホルモンが減少することを明らかにしてきた。今回,個人が有する咀嚼する能力に着目し,咬合状態がチューイングによるストレス緩和効果に及ぼす影響を検討することを目的としている。咀嚼能力については主に消化に影響を及ぼす要因として位置づけられてきたが、本研究により咬合状態がストレス緩和効果に影響を及ぼす要因となるのであれば、補綴治療前後の咀嚼機能回復の重要性を訴えるための新たな分野の研究と考えられ、今後の歯科補綴学領域における研究として意義深いテーマであると考える。また、本研究が咬合医学の発展の一助となり、歯科医学の観点からのストレスマネージメントによりストレス関連疾患の予防につなげることができる可能性があると考える。 本年度は被験者18名に対して実験を実施した。30分間安静後に、ストレス負荷として暗算を30分間行わせた。その後10分間のチューイングを行い、10分間安静にし、実験を終了とした。ストレス状態の評価の指標として唾液中コルチゾール濃度を測定し、ストレス負荷直後からストレス負荷10分後の変化率を算出した。その他に咬合接触面積,咬合力およびチューイング回数を測定した.統計処理は唾液中コルチゾール濃度の変化率と、咬合力、咬合接触面積およびチューイング回数との相関についてピアソンの相関係数にて検定した。 咬合力の平均値は578.3±278N、咬合接触面積の平均値は12.0±4㎜2であった。唾液中コルチゾール濃度の変化率と咬合接触面積および咬合力との間に相関関係は認められなかった。唾液中コルチゾール濃度の変化率とチューイング回数との間に負の相関関係が認められた。チューイング回数が多いものが、ストレス緩和が高いことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
予備実験が終了し,平成26年度において開始予定であった本実験を一部開始することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
研究分担者が退職により欠員が生じることとなった。研究分担者の役割はデータ採取であり、その補助として研究協力者の大学院生2名がすでにいる状態である。対応策として研究協力者として大学院生1名をさらに追加する予定である。研究協力者は本年度でデータ採取の技法は習得している状態である。新規に追加する研究協力者にデータ採取の技法を習得すれば研究の進捗および目的達成には支障はないと考えている。
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