研究課題/領域番号 |
25463024
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
中島 一憲 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (80317916)
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研究分担者 |
近藤 祥弘 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (10162124)
武田 友孝 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (20236475)
石上 恵一 東京歯科大学, 歯学部, 特任教授 (70176171)
小澤 卓充 東京歯科大学, 歯学部, その他 (80637661)
酒谷 薫 日本大学, 工学部, 教授 (90244350)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ガム咀嚼 / 情動反応 / ストループテスト / fNIRS / STAI / VAS / 認知機能 / 前頭前野 |
研究実績の概要 |
超高齢社会を迎える我が国にとって認知症患者の増加は大きな問題である。一方、適切な咀嚼は脳機能の維持・改善に繋がるとされている。そのため、咀嚼の重要性がこれらの点からも注目される。これまでヒトにおいても咀嚼、咬合の認知機能へ及ぼす影響も検討されてはいるが、その神経基盤に関しては十分には解明されているとは言えない。そこで咀嚼が認知機能へ及ぼす影響について、ストループテストを課題としNIRSを用いて検討を行った。 4つのレスト(30秒)および3つのタスク(30秒)からなるブロックデザインを用いて、タスク時のガム咀嚼有無の2条件でストループテストを行った。測定評価項目としては、ストループテストの回答反応時間、正答率、前頭前野のヘモグロビン酸素化状態、脈拍数、感情評価とした。前頭前野背外側部の酸素化ヘモグロビンの状態計測にはfNIRS(OEG-16: Spectratech)感情評価にはState-Trait Anxiety Inventory-FormJYZ(STAI)とVisual Analog Scale(VAS)、脈拍計測にはパルスオキシメーターを用いた。測定は、約30分の安静の後行い、ガム咀嚼は自由に行わせた。 その結果、ガム咀嚼なしに比べガム咀嚼ありでは、ストループテストの回答反応時間は有意に短縮し、正答率は上昇した。また前頭前野部の酸素化ヘモグロビン濃度は有意に増大した。脈拍数はガム咀嚼により増加した。感情評価では不安度の減少が確認された。 ガム咀嚼は認知課題の実行に重要な前頭前野の活動性を向上し、その為ストループテストの回答反応時間を短縮させたものと考えられ、本研究の発展は今後咀嚼と認知機能との関連の解明の一助になると考えられ、認知機能の維持増進に対する咀嚼の重要性を示唆するものと思われる。
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