人を対象とした研究において咀嚼がストレス緩和に有効であるとの報告は少なくない。しかしその神経生理学的メカニズムに関しては,不明な点が多い。そこで今回,ガム咀嚼のストレス緩和の効果を検討するため,ストレス刺激として神経心理学の分野で幅広く使用されている The International Affective Digitized Sounds-2(IADS)を用いて検討を行った。 本研究の結果,ガム咀嚼は IADS による不快音刺激時のα波を増大させ,また前頭前野の活動性に影響を与える可能性が示唆された。自律神経系および心理学的検討においても不快な反応を軽減する傾向が示唆された。
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