研究課題/領域番号 |
25463026
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
淺野 隆 日本大学, 歯学部, 講師 (60349975)
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研究分担者 |
川良 美佐雄 日本大学, 歯学部, 教授 (20147713)
飯田 崇 日本大学, 歯学部, 助教 (50453882)
小見山 道 日本大学, 歯学部, 准教授 (60339223)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | マウスガード / ウレタンゲル / EVA / ポリオレフィン / スポーツ |
研究概要 |
スポーツ競技、およびウエイトトレーニングの全身運動機能向上を目的としたマウスガード(口腔内アプライアンス)の開発とメカニズムの解明を行うことである。マウスガードの効果発現には、適合性、装着感に加えて、厚さも重要な因子である。現在多くのマウスガードに用いられているEVAシートやポリオレフィンシートでも厚みを増すことにより衝撃吸収能を高めている。しかしながら、厚さを増すことにより、違和感は強くなり、呼吸、発声への影響も懸念され、また咬合付与にも十分な配慮が必要とされる。今回、スマートフォンの液晶保護シートとして使用されている「ウレタンゲル」をマウスガードに応用する目的で衝撃吸収に関する基礎的検討を行った。2種類の市販マウスガード材料EVA(2mmと3mm、リンカイ)およびポリオレフィン(MG21シートレギュラー、2mmと3mm、CGK)を使用し、市販衝撃吸収材としてハイパーゲル(HG,1mmと2mm、(株)エクシレールコーポレーション社)を用いた。ラミネートマウスガード製作を想定し、マウスガード同種材料の間に各ハイパーゲルを挟み試料を作製し、衝撃吸収の試験を行った。結果、EVAおよびポリオレフィンにハイパーゲルを挟むと衝撃吸収能力が向上した。これはマウスガードシートに加撃された衝撃力がハイパーゲルによって効果的に分散、吸収された結果と考えられる。快適で防御性の高いマウスガードがより簡便に作製できるのであれば、術者およびアスリート両者にとっても好ましいものであると考える。さらなる検討が必要であるが、衝撃吸収能が高く、しかも安価で、操作性がよいハイパーゲルがマウスガードのカスタマイズに応用可能であることが示唆された。これらの内容について日本スポーツ歯科医学会にて学会発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題に到達するまでの過程研究について、これまで報告されていない内容を学会発表ができたことについて満足している。この内容を現在論文投稿を予定している。また、学会発表中のデータは、研究課題に限らず、他研究の参考となるものと思われるため。
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今後の研究の推進方策 |
研究課題を遂行する上で平成26年度はスポーツアスリートのデータ収集に努める。被験者については、国体およびオリンピック出場クラスを選択したい。そのために、競技監督およびトレーナーなどの担当と入念な計画と説得が必要となると思われる。説明の資料として、科研費研究課題で発表させていただいた、論文を使用する。また、マウスガード作製の過程である、印象採得にデジタルスキャナーを使用する計画があるため、精度実験を検証したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度では、マウスガードの衝撃吸収能力向上のための基礎的実験を行った。平成26年度は、今回作製したカスタムメイドマウスガードについて、スポーツアスリートに提供する予定である。そのため、カスタムメイドマウスガードの作製費用、および更なる基礎的実験のデータ収集費用が必要となる。また、マウスガード作製に必要な印象採得の方法を現状より簡便かつ正確に行える方法を検討するため。 ウレタンゲルを挟んだカスタムメイドマウスガードのデザインの確立を目標とする。デザインの検討として、厚さ、外形を考慮し、競技種目別にスポーツアスリートが好むカスタムメイドマウスガードを作製する。また、マウスガード作製に必要な印象採得においてデジタル印象したデータより3Dプリンターにて作業模型を作製し、通常の方法とデジタル印象方法のカスタムメイドマウスガードの適合精度を確認する。
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