研究課題/領域番号 |
25463033
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
五味 治徳 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (00235003)
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研究分担者 |
新谷 明一 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (60440054)
黒田 聡一 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (80710798)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 歯学 / グラスファイバー / 臼歯部レジンブリッジ |
研究実績の概要 |
審美性を要求される修復には、従来から金属焼付ポーセレンクラウンが用いられてきた。しかし、金属を使用することにより金属アレルギーや歯周組織に対する悪影響も危惧されている(厚生科学研究の全国調査では、何らかのアレルギー疾患を有する者は成人で29.1%となっている)。また、最近では市場での金の価格高騰が注目されていることなどから、メタルフリーの補綴修復が必要不可欠になってきている。 臼歯部の欠損補綴に関しては、グラスファイバー補強したレジンブリッジを行うことにより、歯科用貴金属ではその素材である金やパラジウム等の市場価格の影響を受けるが、当該材料はその影響を受けないため供給面も安定し、臨床的にも普及するものと考えられる。 本申請研究では、臼歯部のグラスファイバー補強したレジンブリッジに最適なデザインを確立することを目的として、まず臼歯部支台歯を想定した実験用金型に直接ファイバーネットを圧接、光重合後にコンポジットレジンで歯冠形態を再現し、押し込み応力負荷試験を行い、ファイバーネット2枚が最大値を示すことがわかった。さらに、下顎第一大臼歯欠損を想定した3ユニットの中間歯欠損のファイバー補強臼歯部レジンブリッジを作製し、ファイバーネットの厚さと方向、およびファイバー設置位置の最適条件を確立していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は、下顎第一大臼歯欠損の3ユニット中間歯欠損ブリッジを想定し、基礎的研究から得られたファイバーネットの厚さと方向の結果から最適な条件を設定し、曲げ強度試験および圧縮強度試験を行い、その破断部位を実態および走査電子顕微鏡観察結果から解析する予定であったが、ブリッジの金型の製作が遅れたため、実験結果がまだでていない。
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今後の研究の推進方策 |
下顎第一大臼歯欠損の3ユニット中間歯欠損ブリッジを想定した金型から、ファイバーネットの厚さと方向を変えたグラスファイバー補強レジンブリッジを作製し、その強度試験を行い解析する。当初予定では、解析モデルを製作し、FEM解析を行い、解析モデルの最大主応力、変位量分布および主応力方向の結果から、臼歯部グラスファイバー補強レジンブリッジに対する影響を検討するつもりであったが、今年度中に終了となるため、強度試験結果を最終段階とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
下顎第一大臼歯欠損の3ユニット中間歯欠損ブリッジを想定した実験用金型の設計を大幅に見直したため、本年度中の製作が間に合わなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度はじめに下顎第一大臼歯欠損の3ユニットブリッジの金型が納入されるため、今後強度試験を行い、公表する予定である。
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