研究課題/領域番号 |
25463037
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
菅 武雄 鶴見大学, 歯学部, 講師 (40247333)
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研究分担者 |
山根 明 鶴見大学, 歯学部, 教授 (20166763)
小川 匠 鶴見大学, 歯学部, 教授 (20267537)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 非咬合マウス / mi/miマウス / miR-206 / ACh受容体 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は非咬合モデルマウス (mi/mi) の咀嚼筋におけるmicroRNA-206によるACh受容体クラスター形成調節の機序を解明することである。前年度までに生後発達過程におけるmi/miおよび野生型マウスの咀嚼筋のmiR-206の発現量を解析してきた。野生型,mi/mi共に生後3週齢まで母乳で飼育し,そのご離乳させた。離乳後野生型には粉末飼料および固形飼料を,mi/miには粉末飼料のみを与えた。miR-206の発現量はtotal RNAのcDNAからReal-Time PCRを行い解析した。野生型では4週齢で顕著に発現量が増え,その後減少したが,mi/miでは4週齢における発現量増加は認められなかった。これは腓腹筋では認められない現象で,咬筋特有の条件,つまり咬合によりmiR-206の発現量が変化する可能性が示唆された。吸啜期から咀嚼可能時期への転換が完了すると考えられる4週齢前後における咬合様式の相違(野生型は咬合が行えるがmi/miでは咬合できない)とmiR-206の発現量の変化とどのように関わるのかが興味の対象である。この実験のためにはmi/miマウスは,咬合のできないマウスということでは最適であるが,重大な欠点は出産数が極めて少なく,実験の遂行が非常に困難となった。そこで非咬合モデルマウスのmi/mi以外のものの実験も加えることを計画し,野生型の歯の切除や咬合に対する物理的障害を加えた実験を試みた。こちらの非咬合モデルマウスでもmi/miと同様の結果が得られることを期待し研究を進めたが,mi/miほどの変化が認められなかった。非咬合モデルマウスについてはより詳細な実験結果が必要であることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
非咬合モデルマウスとして扱っているmi/miマウスの出産数が非常に少なく,実験が思ったほど進まなかった。またmi/miの代替非咬合モデルマウスとして野生型の歯の切除や咬合に対する物理的障害を加えた実験を試みたが,非咬合モデルマウスとして検討しているmi/miほどの変化が認められなかったので,実験方法の検討を繰り返したことで,実験の進行が大きく遅れてしまった。 また、共同研究者の死亡があり、実験系の大幅な見直しが求められ、実験計画に大きく遅れが発生してしまったことも達成度を低下させる原因となってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
非咬合モデルマウスmi/miマウスは研究期間内の入手が極めて困難なため,出産個体をできるだけ効率良く改善し、ロスのないような実験系で実験進行するよう工夫が必要と考えている。また非咬合モデルマウスmi/mi以外の非咬合モデルマウスの検討が必要で,これまで野生型の歯を切除する,あるいは物理的に咬合の阻害をする方法を試みたが,期待した程度に対する非咬合モデルマウスmi/miと同じ結果が得られていないので,非咬合モデルマウスのさらなる検討が必要な状況にある。
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次年度使用額が生じた理由 |
mi/mi非咬合モデルマウスの出産数が極めて少なく,実験に遅れが生じた。代替手段として歯を切除したマウスおよび物理的に咬合を不可能にしたマウスを用いて実験を行ったが期待通りの結果が得られず,非咬合モデルマウスの検討に時間を費やした。
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次年度使用額の使用計画 |
mi/miマウスの大量購入は現実的でないので,mi/mi以外の非咬合モデルマウスの探索と開発のために使用する予定である。
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