研究課題/領域番号 |
25463045
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研究機関 | 明倫短期大学 |
研究代表者 |
野村 章子 明倫短期大学, 歯科技工士学科, 教授 (80134948)
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研究分担者 |
金谷 貢 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40177499)
野村 修一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40018859) [辞退]
佐野 裕子(佐野正枝) 明倫短期大学, 歯科技工士学科, 教授 (30300099)
伊藤 圭一 明倫短期大学, 歯科技工士学科, 助教 (60389955)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 滅菌 / 低エネルギー電子線 / 無発熱 / 高速処理 / エネルギー効率 / チタン / 高圧蒸気滅菌 |
研究実績の概要 |
電子線殺菌は運動エネルギーをもった電子が作用して微生物を殺滅する手法である。近年になって開発された低エネルギー電子線照射装置は低出力であるために小型化が可能となり、従来から認められている樹脂の重合改質効果とともに、細胞の直接障害や細胞内水分子の活性化による殺菌効果もある。そこで、特殊で多様な器材を使用する歯科治療では、材料や器具の劣化を抑えるために無発熱、高速処理、エネルギー効率の良さが望まれている。 研究期間初年度は、歯科用インプラント治療において、生体に埋入されるチタンには滅菌処理が必要である。当然のことながら、この処理によるチタンへのダメージは小さいことが望まれる。そこで、高圧蒸気滅菌と低エネルギー電子線照射滅菌を行い、純チタン平板試料表面に対するダメージのより小さい滅菌方法を明らかにするために、電子線照射オペレータとの連携と、今まで行ってきた電子線照射条件を参考にしながら、試料表面における電子線照射条件を検討した。また、純チタン平板試料の表面研磨の最適条件についても種々の論文検索から調べた。 平成26年度は、純チタン表面に対するダメージの小さい滅菌方法としての有効性を調べた。すなわち、低エネルギー電子線照射滅菌の歯科用チタン表面へのダメージを、過酸化水素低温ガスプラズマ滅菌、オートクレーブ滅菌との比較により検討した。チタン表面のダメージについては、電子線マイクロアナライザー(EPMA)を使用して分析した。しかし、隣接する校舎の耐震工事が平成26年7月から再開し、安定した環境下で実験を行う期間は2ヶ月間に限られたので、各滅菌法による歯科用チタン表面へのダメージの差がより明確になる結果は得られなかった。そこで、次年度に向けた実験計画を年度内に練り直した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本装置を設置していた歯科理工学実験室の建物は平成25年10月から耐震工事(一期)が行われ、平成26年3月末に完了し、修理を終えた本装置が4月末に本学内へ再設置された。しかし、実験室の外壁にかかる非常階段を含む隣接校舎の耐震工事(二期)が平成26年7月から再開したために、安定した電源供給環境下で実験を行う期間は2ヶ月間に限られた。
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今後の研究の推進方策 |
電子線照射サンプルを増やし、低エネルギー電子線照射滅菌、過酸化水素低温ガスプラズマ滅菌、オートクレーブ滅菌との比較により、各滅菌法による歯科用チタン表面へのダメージの差がより明確になるよう、実験を遂行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画を進める上で、大学校舎の耐震工事のために、3ヶ月間の研究期間では不足であった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の計画に最優先で実験材料を購入し、電子線照射装置のキャリブレーションを行った上で、実験を進める。
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