研究課題
将来目標は、歯肉のズレ落ちを治療するための歯周組織再生を簡単に行える人工歯根膜シートの開発である。そこで本研究課題の段階では、ナノインプリント法を利用しコラーゲンやアパタイトなどでマイクロ・ナノ構造を持つ歯周粗組織再生用シートを作製し、各パターンとの細胞応答性を検討した。本年度は、(1)前年度やり残したゼラチンパターンでの骨芽細胞様細胞での追加実験および(2)今後の展開に重要なパターン上での破骨細胞への分化誘導予備実験を実施した。(1)ゲニピン添加型ゼラチンの細胞毒性をLive/dead viability assayにて骨芽細胞様細胞Saos-2を用いて検討したところ、通常の細胞培養ディッシュと同等の高い細胞親和性を示した。このことより、マイクロ・ナノパターンに対するゲニピン架橋は、低毒性な架橋法であることが分かった。さらにゼラチンパターンへの細胞接着箇所の観察を免疫染色により行ったところ、パターン形状に依存し上面やその縁に接着していることが示された。このことよりパターン種により接着度合が大きく影響を受けていることが分かった。(2)分化する細胞としてRAW264.7細胞を用い、マイクロ・ナノパターン上でのRANKL刺激による破骨細胞への分化誘導を検討した。その結果、分化誘導の度合いは、パターンの材質、種類、サイズに大きく依存することが分かった。プラスチック材料としてG-PETやCOPを用いたパターンの場合、ピラー形状にて分化誘導が促進する傾向があり、特に500nm直径にて高い促進作用が観察された。このことはマイクロ・ナノパターンの設計により、破骨細胞の機能をコントロールできることが分かった。
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Digest Journal of Nanomaterials and Biostructures
巻: 13(2) ページ: 印刷中
Beilstein Journal of Nanotechnology
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
https://www.den.hokudai.ac.jp/seitaizairyou/akasaka/
https://researchers.general.hokudai.ac.jp/profile/ja.pGAj0CcQow4x8PHcQnHJzQ==.html
https://researchmap.jp/read0103543/