研究課題/領域番号 |
25463050
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
縄稚 久美子 岡山大学, 大学病院, 助教 (10379787)
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研究分担者 |
窪木 拓男 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00225195)
園山 亘 岡山大学, 大学病院, 講師 (40325121) [辞退]
大野 充昭 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60613156)
秋山 謙太郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (70423291)
新川 重彦 岡山大学, 大学病院, 医員 (10727465)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | rhBMP-2 / 骨形成 / 骨吸収 |
研究実績の概要 |
平成26年度は平成25年度の実験に引き続き,rhBMP-2の臨床応用に向けた抜歯後のソケットプリザベーションモデルの組織学的な検討を行った.すなわち,ビーグルイヌの下顎第4小臼歯および上顎側切歯を抜歯し,抜歯窩にbeta-TCPとrhBMP-2の混和物を移植した.移植4週後に組織を回収し,組織学的検討を行った.その結果,rhBMP-2群において,抜歯窩が骨で満たされている像が観察された. また,我々はこれまでに骨髄腔内において,rhBMP-2が骨形成を抑制するという結果を得てきた.また,その原因が骨髄にあると考え,そのメカニズム解明に向けた動物実験を行った.すなわち,大腿骨内の骨髄量をコントロールすることを目的に,大腿骨の骨髄を歯科用リーマーにて除去しrhBMP-2の凍結乾燥体を移植したものを実験群,これまで通り大腿骨内に穴を開けrhBMP-2の凍結乾燥体を移植したものを対照群とした.移植から2週後にサンプルを回収しマイクロCTにてエックス線学的評価を行った.その結果,骨髄量により骨形成量が変化する事が明らかになりつつある.現在組織学的評価のため切片を作製中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
rhBMP-2の臨床応用に向けた大型動物のビーグルイヌを用いた実験が順調に進んでおり,期待している結果が出始めている.また,今回のrhBMP-2の凍結乾燥体のマウス大腿骨移植モデル実験において,BMP-2が骨髄腔内において骨形成を抑制する原因の一つに骨髄が関与している可能性を示唆する大変興味深い結果を得た. 臨床応用へ向けた大型動物実験とメカニズム解明に向けた基礎実験共に有意義な結果が得られており,研究全体として概ね順調に進んでいるものと考える.
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今後の研究の推進方策 |
来年度は骨髄内でrhBMP-2が骨形成を抑制するメカニズムを詳細に検討していく予定である. 初めに今年度行ったrhBMP-2のマウス大腿骨移植モデルの組織切片を作製し,組織学的に詳細に検討する.また,今回の実験においてrhBMP-2の骨髄内における骨形成抑制能は,骨髄の有無が重要な条件であることが明らかとなりつつある.今後,rhBMP-2の骨形成抑制の原因が細胞もしくは液成分のどちらにあるかを検討し,細胞であれば,免疫学的手法を駆使し,その細胞の同定を試みる.また,液成分である場合は,タンパク質を分子量で分画し,TOF/MS等の手法を用い,そのタンパク質の同定を試みる.
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