研究課題
平成27年度は,骨髄内におけるBMP-2の役割を明らかにするため,マウスを用いた研究を中心に実施してきた.これまで,大腿骨内にBMP-2を投与すると,骨髄内の骨形成が抑制されることを示してきたが,平成26年度に,リーマーにて骨髄を除去すると,BMP-2による骨形成抑制効果の一部が抑えられることが明らかとなった.平成27年度はさらに,骨髄の働きを抑制するため骨髄をリーマーで除去した大腿骨を採取し,別のマウスの背部皮下に移植した.その結果,BMP-2により骨髄内に骨形成が誘導された.本結果は,骨髄液の何かがBMP-2による骨形成能を負に制御していることを示している.そこで,次に,骨髄液にBMP-2の骨芽細胞分化を抑制する因子が内包されているかをin vitroにおいて確認するため,レポーター遺伝子の上流にBMP-2応答配列を組み込んだベクター (BMP Response Element: BRE)を遺伝子導入したC2C12-BRE細胞にBMP-2および骨髄液を添加すると,BMP-2によって誘導されたルシフェラーゼ活性は骨髄液添加により完全に抑制された.つまり,骨髄液の何かがBMP-2の機能を阻害していることが明らかとなった.現在,骨髄内のどの細胞,もしくは蛋白質成分が作用しているかを詳細に検討を行っている.
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