研究課題
現在,歯の喪失後のデンタルインプラント治療による咬合機能回復が一般に広く普及している。さらに近年は,チタンインプラント表面のエイジングによりオッセオインテグレーションの獲得が十分に得られないことが分かりつつある。また,チタンインプラント表面の新たな処理法として,紫外線照射による光機能化技術が世界的に広まっており,チタン表面の最適化がなされている。しかし,光機能化をするためには専用の機器を用意する必要があること,ならびに紫外線照射時に生じる毒性の高いオゾンの発生が問題となる。我々の研究室では,骨再生療法のために新規に開発・合成したバイオカップリング剤を用いて,骨再生の足場となるスキャホールド表面の細胞接着性を向上させ,骨の形成作用を促す技術を開発してきた。本研究ではこの技術を応用し,インプラント表面に適応することを目的とし,チタンインプラント表面をバイオカップリング剤で改質処理することによりインプラント表面の骨芽細胞親和性を高め,オッセオインテグレーションを確実に獲得しようとするものである。本年度は,昨年度でチタンインプラント表面のバイオカップリング剤処理が短期の効果が認められることが示唆されたので,引き続きバイオカップリング剤を合成し,in vitroの実験を行う予定であったが,バイオカップリング剤の原材料が国内外で入手できなくなり,出発物質を変更し合成することとなった。合成後のバイオカップリング剤を用いてチタン表面への細胞接着および分化促進効果を検討中である。
4: 遅れている
本研究で使用するバイオカップリング剤は,研究支援者へ合成を依頼しており時間を要する.大量生産が困難なうえに,今年度はバイオカップリング剤の原材料が国内外において入手困難となり,あらたに出発物質を検討せざるを得なくなったため,計画より遅れている.現在,in vitro実験中であり最終年度にはすべての計画を終了できる予定である。
バイオカップリング剤の合成は,研究支援者である東京理科大学でさらに合成を継続しており,使用予定量を年度頭に準備可能であるため,最終年度は遅れている計画を進める予定である。
バイオカップリング剤の合成に際し,出発物質を変更したため物品費の変更が生じた.また,次年度以降の計画に合わせ物品購入したため変更が生じた。
次年度は,最終年度であるので計画を進めるべく当初予算を見越して実施する予定である.
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日本歯科保存学雑誌
巻: 57 ページ: 510-518
神奈川歯学
巻: 50 ページ: 46-54