研究課題/領域番号 |
25463064
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
城戸 寛史 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (90169897)
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研究分担者 |
茂野 啓示 京都大学, 再生医科学研究所, その他 (00162587)
寺岡 啓 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (00357542)
森永 健三 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (10509061)
山本 勝己 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (70425312) [辞退]
園田 勉 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (80357334)
渡津 章 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (90358375)
加倉 加恵 福岡歯科大学, 歯学部, 助教 (90465740)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | iPS細胞 / 骨再生 / インプラント / 安全性 / チタンコーティング |
研究実績の概要 |
研究分担者である京都大学再生医科学研究所の中村らはビーグル犬の胎児の皮膚の細胞に4つの遺伝子(Oct3/4, Sox2, K1f4, c-Myc)と4つの化合物を加えてiPS細胞を作成することに世界で初めて成功している。そこで、中村らの方法に従ってビーグル犬のiPS細胞の樹立を試みたが、骨芽細胞への分化が困難で骨再生の実験に使用できる状態ではない。そこで、iPS細胞の骨芽細胞への分化が成功した状態を想定して、スフェロイド化した骨芽再防音移植による骨再生方法を試みた。その結果、ラットの頭蓋骨の骨欠損モデルにおいてスフェロイド化した骨芽細胞の移植によって骨の再生スピードが有意に速く、骨量も多きことが確認された。このことはiPS細胞から分化させた骨芽細胞にも応用可能であり、iPS細胞を使った骨再生の安定性に寄与できるた考える。現在、スフェロイド化による骨再生の向上に関する機序について、autophagyを中心に解析中である。また、効率的なiPS細胞の分化誘導と骨再生療法への応用を目的に、Autophagy阻害剤(3MA)を用いてマウスiPS細胞の骨分化誘導へのAutophagyの影響を検証している。その結果、Autophagyを抑制することで、マウスiPS細胞は、未分化を維持する傾向にあり、骨分化誘導を行うと、骨分化誘導を促進する傾向にあることが示唆された。よって、Autophagyは、多分化能の促進に関与する可能性があり、 特異的な分化誘導にはAutophagyによって引き起こされた多分化能を抑制する必要があるのではないかと考えられる。この結果はビーグル犬から樹立したiPS細胞にも応用が可能であると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究分担者である京都大学再生医科学研究所の中村らはビーグル犬の胎児の皮膚の細胞に4つの遺伝子(Oct3/4, Sox2, K1f4, c-Myc)と4つの化合物を加えてiPS細胞を作成することに世界で初めて成功している。そこで、中村らの方法に従ってビーグル犬のiPS細胞の樹立を試みたが、骨芽細胞への分化が困難で骨再生の実験に使用できる状態ではないからである。
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今後の研究の推進方策 |
小動物と比較して犬を使用した実験は長期間の観察が可能になるため、ビーグル犬のiPS細胞の使用は、骨再生の長期的な安全性の評価に有効であると考えられる。したがって、引き続きビーグル犬のiPS細胞の樹立を試みる。しかし、細胞の樹立が難しい場合を考慮して、すでに樹立方法が確立しているラットモデルによる実験を開始している。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進行に若干の遅れがあるため、次年度物品を購入して研究を進めるため、また、いくつかの物品費が見積もりより安く納入されたため
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次年度使用額の使用計画 |
物品費の一部として使用する。
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