研究課題/領域番号 |
25463067
|
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
高野 裕史 秋田大学, 医学部, 助教 (30282172)
|
研究分担者 |
福田 雅幸 秋田大学, 医学部, 准教授 (20272049)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | ビスフォスフォネート製剤関連顎骨壊死 / ビスフォスフォネート製剤 / 骨芽細胞 / メカニカルストレス |
研究概要 |
本研究は、ビスフォスフォネート(以下bisphosphonate; BP)製剤関連顎骨壊死(以下Bisphosphonate-related osteonecrosis of the jaw; BRONJ)の病態解明を目的とした基礎的研究である。窒素を含むBP製剤(NBP)は、破骨細胞に特異的に取り込まれ、破骨細胞の機能を抑制し、アポトーシスを誘導することにより骨吸収を阻害するが、近年、NBPは破骨細胞のみならず、他の細胞にも取り込まれ様々な反応を示すことが明らかとなっており、骨芽細胞への影響も想定される。また、NBPはリモデンリング活性の高い部分で作用することが明らかになっており、顎骨および歯槽骨に加わる力学的負荷が周囲組織を形成する細胞へのNBPの取り込みとBRONJの発症や病態形成に強く関連していると考えている。本研究では、NBPを作用させた骨芽細胞へのメカニカルストレスの影響を解析し、分子細胞生物学的手法を用いBRONJの病態形成メカニズムの解明を試みる。 H25年度は骨芽細胞へのNBPの作用とメカニカルストレスを加えた培養実験を行った。マウス骨芽細胞株MC3T3-E1細胞を実験に用い、NBPはZoledronateを使用した。細胞(1x105/well)を6 wellプレートで培養。それぞれのBP製剤を0~100ng/mlで添加し7日間培養。1, 3, 7日間培養で細胞増殖能をPremixWST-1細胞増殖アッセイシステム(タカラバイオ)を用い確認したがNBPは細胞増殖に影響を与えなかった。RANKLおよびOPGの遺伝子発現変化、蛋白産生は実験中である。NBPを添加したマウス骨芽細胞へのメカニカルストレスの負荷実験では、圧縮負荷を加えた。細胞への圧縮刺激は、当教室で作製した圧縮培養システムを用いて行い、培養皿上で培養した細胞にガラスシャーレを置いて圧縮負荷を加え、ガラスシャーレの重量により1.0g/cm2、2.0g/cm2、4.0g/cm2で圧縮強度を調節した。3日間の培養で細胞増殖は圧縮群4.0g/cm2で低下したが、有意差を認めなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
圧縮ストレス実験での負荷強度の設定において、重さ5.0g/cm2以上や長期間(4,5日以上)の培養では細胞がプレートから剥がれるなどの問題が生じ、実験の進行が遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
メカニカルストレスの伸展、圧縮方法が確立したため、今後の実験の進行は問題ないと思われる。今後は、NBP添加時、メカニカルストレス負荷時のアルカリフォスファターゼ、RANKLおよびOPGの遺伝子発現変化、蛋白産生を確認し、さらにNBPが骨芽細胞のアポトーシスへ及ぼす作用とメカニカルストレスの影響も確認する。また、ヒト正常骨芽細胞でも同様の実験を計画している。
|
次年度の研究費の使用計画 |
遺伝子、蛋白実験の遅れにより試薬等の購入も遅れたためである。 予定通りの実験進行により使用可能である。
|