歯の移植には健全な移植歯と移植床が同時に存在する必要があり、適応症が制限されるため、私たちは凍結保存歯の移植を検討し、これまでの研究において凍結保存歯の歯周組織が再生可能であることを明らかにしてきたが、歯周組織再生の遅延や緩慢な置換性歯根吸収がみられることがある。そこで凍結保存歯の歯根膜細胞の高い増殖能を長期間維持する凍結保存方法を検討した。4週齢雄性Wisterラットの大臼歯をプログラムフリーザーによる緩速凍結法、過冷却急速凍結法を用いて凍結し、一定期間凍結保存した後急速解凍して歯根膜細胞を分離、培養して増殖能を調べたところ、過冷却急速凍結群の増殖能が若干高いものの有意差はみられなかった。
|