研究課題
口腔領域はたばこ、アルコールなどの直接的刺激(環境因子)に曝露する頻度が高い領域と考えられる。これらの環境因子は遺伝子メチル化異常などのepigeneticな変化と密接に関係することがわれわれのこれまでの検討や各種がん研究において明らかにされている。epigallocatechin-3-gallate(EGCG)は大腸においてメチル化の改善をもたらすことが報告され、臨床研究として1.5g/dayの経口投与で大腸ポリープを有意に抑制した報告も見られるなど有効性の研究が各分野ですすんでいる。そこで本研究では器質的変化のないメチル化異常のある方、または白板症やがん病変治療後の方などを対象として①EGCGを1-2ヶ月間投与することにより脱メチル化の効果を経時的に検討する。②さらにこれまでは細胞採取の方法として綿棒による採取を行ってきたが、新しい採取方法として液状化細胞診(LBC)を応用し、より精度を向上する方法を探ることも目的として研究を行った。その結果、EGCGとメチル化の相関について病理組織学的な評価・メチル化の評価に一定の関連が示唆される知見が得られた。