研究課題/領域番号 |
25463079
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
増本 一真 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (50464136)
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研究分担者 |
守本 祐司 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 准教授 (10449069)
加藤 文度 浜松医科大学, 医学部, 教授 (60204492)
長田 哲次 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (60264058)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ALA-PDT / CO2レーザー |
研究実績の概要 |
本研究では、治療効果を最大限発揮できるよう病変モニタリングを行いながらPDTを施行する、口腔扁平苔癬に対する新しい治療法として確立すること目的とした。 初年度(H25)は、日本白色家兎の正常舌にALA-PDTを施行し至適治療条件を検討した。ALA軟膏はALA100mg+蒸留水320μl+カルボキシメチルセルロース80mgで作成した。PDTはALA軟膏塗布10分後に発振波長635nmの半導体レーザーを使用したが照射3日後には照射部の一部に粘膜欠損を認めた。病理組織学的検索では舌表面から基底層にかけて炎症細胞浸潤を伴い、粘膜上皮の一部欠損を認めた。比較実験としてCO2レーザーによる舌表面への照射を行ったがレーザー出力3W以上の連続照射では筋層に達する欠損をみとめた。 次年度以降(H26,27)は、インフォームドコンセントを得た口腔扁平苔癬患者(舌、歯肉、頬粘膜)にALA-PDT、CO2レーザーによる蒸散術を施行した。ALA-PDTでは局所麻酔も不要であり術後疼痛は軽度であった。術後1か月程度の一時効果は良好であったものの約8割の症例で再発を認めた。局所麻酔も不要ではレーザー出力1W以下でパルス照射では局所麻酔も不要であったが再発率も高かった。レーザー出力2W以上で連続照射では局所麻酔が必要であり術後疼痛はやや強度であったがほぼ前例での完治を認めた。 このため、本研究では利便性、根治性を考慮すると高出力CO2レーザーによる蒸散術がALA-PDTより優れているとの結果となった。ALA-PDTの問題点を克服するためにはALA軟膏の改良、レーザーの深達性の向上が課題であると考える。
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