研究課題
USAG-1とBMP-7,各々の発現部位を検討したところ,E13-15の上顎切歯部においUSAG-1とBMP7の共発現を認めた. P0の上顎切歯部においてUSAG-1 KOマウスでは歯数が増加するのに対し、USAG-1とBMP-7のdouble KOマウスにおいては野生型と同一の歯数になった.上顎切歯部においてUSAG-1の欠損による歯数増加をBMP-7欠損によりrescueできることを示した.以上のことから,上顎切歯部においてUSAG-1はBMP-7の拮抗分子であり,BMP-7が歯数制御に関わると考えられた.当初の研究計画に沿って、遺伝子欠損マウスを用いた歯数制御および歯の大きさの分子メカニズムの解析を行っていたところ、当初計画よりも進展があったため、平成26年度に施行する予定であった局所での標的分子の機能抑制/機能亢進によりin vitro で歯数を増加させるシステムの確立に関する研究を開始した。胎生15日のUSAG-1 変異マウスの上顎切歯歯胚を摘出し、BMP-7含有ゼラチンハイドロゲルとともに腎被膜下に移植し、成長させた。WTでは1本、Heteroにおいては2本、つまり本来の切歯と過剰歯が確認できた。KOでは2本確認でき、Heteroよりも大きい過剰歯を認めた。Heteroにおいても歯数増加を認めたことから、上顎切歯部においてUSAG-1の欠損による歯数の変化をBMP-7の過剰投与により増強できることを示した。ヒトにおいてもBMP-7を標的分子として歯の再生を目指す新しいアプローチとなる可能性を示唆した。
1: 当初の計画以上に進展している
当初の研究計画に沿って、遺伝子欠損マウスを用いた歯数制御および歯の大きさの分子メカニズムの解析を行っていたところ、当初計画よりも進展があったため、平成26年度に施行する予定であった局所での標的分子の機能抑制/機能亢進によりin vitro で歯数を増加させるシステムの確立に関する研究を開始した。
平成26年度は、局所での標的分子の機能抑制/機能亢進によりin vitro で歯数を増加させるシステムの確立に関する研究を平成25年度中に開始するが、平成26年度中も引き続き行うことが必要であり、また哺乳類の基本歯式を有する実験動物を用いたin vivo で歯数を増加させるシステムの確立に関する研究も開始する。研究が当初計画どおりにすすまないときの対応として、われわれがすでに解析を開始しているCEBP/β欠損マウス(Huang B, et al., Oral Dis, 2012)を利用し、もう1つの歯数増加のメカニズムである歯原上皮幹細胞の局所での上皮間葉誘導による歯牙再生を目指した研究を行う。
当初の研究計画に沿って、遺伝子欠損マウスを用いた歯数制御および歯の大きさの分子メカニズムの解析を行っていたところ、当初計画よりも進展があったため、平成26年度に施行する予定であった局所での標的分子の機能抑制/機能亢進によりin vitro で歯数を増加させるシステムの確立に関する研究を開始した。そのため、前倒し支払請求を行ったが、予定していた金額ほど、研究費を使用しなかったため。今年度に研究の進行にあわせて使用する予定である。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (2件)
J Maxillofac Oral Surg.
巻: 13 ページ: 75-77
10.1007/s12663-013-0478-7.
Oral Diseases
巻: 19 ページ: 144-150
10.1111/j.1601-0825.2012.01963.x.
PLoS ONE
巻: 8 ページ: e64113
10.1371/journal.pone.0064113.
Angle Orthod,
巻: 83 ページ: 527-532
10.2319/050312-369.1.
Stem Cell Int,
巻: 2013 ページ: 634379
10.1155/2013/634379.
巻: 8 ページ: e79376
http://kuhp.kyoto-u.ac.jp/~oral_surg/Oral_Surg_index.html
http://www.med.kyoto-u.ac.jp/organization-staff/research/doctoral_course/r-057/