我々は,医療用に用いられる程度の出力の超音波と造影剤であるナノ・マイクロバブルを併用することにより,様々な細胞や臓器へ薬剤や遺伝子を導入する技術を開発してきた.抗Epidermal Growth Factor Receptor(EGFR)抗体を付着させたEGFR-MBを用い,EGFR高発現ヒト歯肉扁平上皮癌細胞株における抗癌剤の効果増強を検討した.Bleomycine(BLM)とEGFR-MBを用いたソノポレーション法では,より低濃度のBLMで著明な癌細胞増殖抑制効果が得られた.本手法は新たな癌特異的抗癌治療となり得る可能性が示唆された.
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