研究実績の概要 |
昨年度BRAKが高度にメチル化されBARKの遺伝子発現が完全に抑制されていることをメチル化特異的PCR法にて確認した細胞株(mBRAK細胞 )を樹立し,DAC添加によりメチルトランスフェラーゼ阻害作用に伴いBRAKの遺伝子発現の有意な回復作用,およびin vivo においてDAC投与によりBRAK遺伝子の発現回復作用に伴い腫瘍増殖が有意に抑制することを確認した。そこで,本年度は,mBRAK細胞 を用いてBRAK遺伝子発現回復作用を持つDACが,BRAK遺伝子発現抑制の主要な経路と考えられる上皮成長因子(EGFR)シグナル経路の阻害剤を併用した際にその作用を増強するか検討した。その結果,口腔扁平上皮癌細胞株(HSC-2,3,4)において, EGFRシグナル経路の阻害剤(iAkt, iMEK, iERK)のBRAK遺伝子の発現促進作用を優位に増強することが確認された。今後は,セツキシマブ等の口腔癌治療に用いられるEGFR経路の阻害剤を用いて,in vivo でBRAK遺伝子の発現回復,腫瘍増殖抑制作用の増強が確認されるか引き続き検討が必要である。
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