本研究では, 口腔扁平上皮癌 (HNSCC) を用いてDNAメチル化阻害作用を持つエピガロカテキンガレート(EGCG) による,抗腫瘍ケモカインCXCL14/BRAKの発現上昇作用を検討した。その結果,EGCGは有意なBRAKの発現上昇を示さなかった。そこで,より強力なメチル化阻害剤であるデシタビンを用いて検討した。その結果,BRAKの発現上昇に伴いHNSCCの増殖抑制作用がin vivo で確認された。本研究結果から,メチル化阻害剤もしくはメチル化阻害作用をもつ天然由来成分用いてBRAK遺伝子発現を上昇させ腫瘍増殖の抑制を期待することは,口腔癌治療戦略において非常に有用であると考えられる。
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