| 研究課題/領域番号 |
25463102
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| 研究機関 | 鶴見大学 |
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研究代表者 |
山近 重生 鶴見大学, 歯学部, 学内講師 (60182565)
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| 研究分担者 |
井出 信次 鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (00611998)
徳山 麗子 鶴見大学, 歯学部, 助教 (20380090)
里村 一人 鶴見大学, 歯学部, 教授 (80243715)
舘原 誠晃 鶴見大学, 歯学部, 講師 (90380089)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| キーワード | 口腔カンジダ症 / 超高齢社会 / 光線力学療法 / レーザー光 / 治療法・予防法 |
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| 研究実績の概要 |
口腔カンジダ症はカンジダ属真菌による口腔粘膜の感染症であり、その病態は、偽膜性カンジダ症、紅斑性カンジダ症、肥厚性カンジダ症などさまざまであるが、その原因は宿主の免疫能の低下やステロイド薬投与による日和見感染として発症する側面と、長期の抗菌薬の投与により菌交代現象を背景として発症するなどきわめて複雑である。
治療は抗真菌薬の投与が一般的となっているが、副作用が強く、肝、腎臓機能が低下した患者には投与しにくいこと、耐性株の出現を助長し、より難治性の口腔カンジダ症の発症を助長すること、また長期の投与による医療経済の圧迫など、さまざまは問題点がある。そこで本研究では、副作用が少なく、高齢者や有病者に対しても効果的で簡便な新しい口腔カンジダ症予防法や治療法の開発の可能性につき検討した。口腔内より分離されるカンジダ属真菌４種に対し、405nm青紫色レーザー光照射は、増殖抑制効果を有していた。このことは、405nm青紫色レーザー光を利用した口腔内カンジダ属真菌の制御が可能なことを示しており、口腔カンジダ症に対する新たな低侵襲予防法や治療法確立の可能性を示唆するものと考えられた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
口腔内より分離されるカンジダ属真菌の４菌種（Candida albicans、 Candida glabrata、Candida parapsirosis、Candida tropicalis） に対して405nmレーザー光照射により、増殖抑制効果が認められた。このことは、405nm青紫色レーザー光を利用した口腔内カンジダ属真菌の制御が可能なことを示しており、新たな低侵襲予防法や治療法確立の可能性を示唆するものと考えられる。
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| 今後の研究の推進方策 |
405nm青紫色レーザー光照射により、カンジダ属真菌の増殖抑制効果が認められたが、この詳しいメカニズムは不明である。一方、腫瘍や細菌に対する光線力学療法のメカニズムは、細胞内の光感受性物質であるプロトポルフィリンⅨを利用している。細胞質内に取り込まれたアミノリブリン酸がヘムに合成されるまでの過程でプロトポルフィリンⅨが合成される。このプロトポルフィリンⅨにレーザー光照射により腫瘍および細菌内にフリーラジカルが発生し、細胞障害され増殖抑制に働いていると考えられている。カンジダ属真菌においても同様の代謝系が存在し、菌体内にプロトポルフィリンⅨまたはその類似物質が存在することが推測される。今後はこのメカニズムの解明のための研究を推進していく予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
前年度からの繰越金が発生しているのは、平成25度分の研究計画が順調に進行し、細菌培養用の試薬や物品の購入費を抑えることができたことと、本年度に研究実施予定であったプロトポルフィリンⅨを菌体内で増加させる方法の開発に関する実験が、現時点では予備実験の段階で、25年度分の繰り越し分を使用しているからであるが、今年度以降は遅れている計画を進めるとともに、in vivoでの実験を行うため、追加の組織学的検討試薬類や物品の購入および実験動物の購入や飼育が必要で、今年度に使用する予定であったこれらの繰越金を有効に使用して本研究を順調に進展させていく予定である。
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| 次年度使用額の使用計画 |
次年度には、研究計画に基づき、405nm青紫色レーザー光照射の増殖抑制効果をより高いものにするためのプロトポルフィリンⅨを菌体内で増加させる方法の開発や405nm波長の感受性を向上させる研究に細胞培養用試薬、分子細胞生物学的検討試薬類、生化学的検討試薬類などの購入が必要である。また、平成27年度以降の研究計画である405nm青紫色レーザー光の口腔粘膜に対する為害性について検討するin vivoでの実験を行うために細胞培養用試薬、実験用動物に物品費を使用し、口腔内405nm青紫色レーザー光照射装置の基本設計開発を目的とした様々な照射条件、形態での照射実験を行うために細菌培養用試薬、組織学的検討試薬類の追加購入が必要となる。さらに、成果発表のために旅費、論文印刷費を使用するとともに、本研究を順調に進展させていくために人件費、謝金などの使用を予定している。
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