研究課題
我が国における死因の第1位は、癌であり,特に癌の浸潤・転移は、癌死亡の直接な原因となるためその抑制は、重要な課題となっている。近年EPA投与によるサイトカインストームの抑制効果が報告されており、他の癌腫で癌の転移抑制効果も報告されているRose DP, Connolly JM, Coleman M. Clin Cancer Res 1996 Oct;2(10):1751-6。今回我々は、口腔扁平上皮癌におけるEPA(エイコサペンタンエン酸)の癌の転移抑制効果について検討した。口腔癌細胞株を用いてin vivo selectionで高転移株の樹立に成功した。その高転移株(OSCC)をヌードマウスの舌に移植し、通常の餌と餌+EPA添加を与えたマウス群で、頸部リンパ節転移の状態の解析を行っている。これまでにEPA添加群の方が、EPA非添加群に比べ転移が抑制されている傾向が認められた。現在、EPA投与総投与量と転移抑制の関係を解析中である。今後実験を繰り返し統計的に検討を行っていく予定である。また、サイトカインは、NF-κBを介して産生されるが、高転移株においてもNF-κBの活性は確認されており、EPA投与により移植した細胞においてNF-κBの抑制を認めるか、マウスに移植したがん細胞を摘出し、原発巣の検体を免疫組織学的検討を現在行っているところである。また、今後EPA投与による細胞の遊走能・浸潤能のついても浸潤アッセイ・傷つけアッセイを行い検討予定である。
2: おおむね順調に進展している
現在、確立した転移細胞を用い舌から肺への転移実験を行っているが、EPAの総投与量での転移抑制の差異を、詳細に解析中である。
EPA総投与量量の違いにおいての、転移抑制のデータが整えば、今後は転移制御のメカニズムの解明予定である。
消耗品等が節約できたため。
次年度に一緒に使用する。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)
Clin Cancer Res.
巻: 21 ページ: 312-321
10.1158/1078-0432.CCR-14-0202.