6名の口底扁平上皮癌患者の癌組織のmRNA発現パターンを29098遺伝子のマイクロアレイで解析を行った.クラスタリング解析の結果,6症例は口腔粘膜の発現パターンを示し,2症例は唾液腺の発現パターンを示した.さらに口腔扁平上皮癌の発生母細胞を同定する9個の遺伝子を絞り込んだ.9個のマーカー遺伝子を用い,73症例の口腔扁平上皮癌の発生母細胞の同定をPCRにて行った.73症例中12症例が小唾液腺由来であることが明らかとなり,それらの症例は高転移能を有し予後も不良であることが明らかとなった.結論として,口腔扁平上皮癌細胞の発生母細胞を同定することは治療方法を決定する上で有用であることが示された.
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