研究課題/領域番号 |
25463123
|
研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
野口 一馬 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (50309473)
|
研究分担者 |
岸本 裕充 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30291818)
中野 芳朗 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (30360267)
浦出 雅裕 兵庫医科大学, 医学部, 特別招聘教授 (70104883)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 口腔癌 / 抗がん剤耐性 / ヘッジホッグシグナル / ヒッポシグナル |
研究概要 |
我々は口腔扁平上皮癌培養細胞である SCCKN・OSC19・HSC-3 を用いて癌化学療法の key drug であるシスプラチン と EGFR を阻害する分子標的薬セツキシマブを低濃度より培養液中に添加することで約 5 倍の耐性度を有する 耐性細胞 SCCKN-cdR・OSC19-cdR・ HSC-3cdR と SCCKN-cxR・OSC19-cxR・HSC-3cxR を樹立している。本年はシスプラチン耐性株に発現したABCトランスポーターについて検討した。その結果、ATP7Bはシスプラチン耐性株での3種類すべてにおいて発現増強が確認された。また、従来よりシスプラチン耐性に関与すると言われているHIF-1も、いずれの耐性細胞においても発現増強を認めた。ATP7BおよびHIF-1の発現を制御している転写因子としてHedgehogシグナルの関与を疑ったが、Gliをはじめとする転写因子の活性化は見られなかった。しかしながら我々はHedgehogシグナルとの相互作用も報告されているHippoシグナルの一つに耐性と明らかな相関を見いだした。今後は本転写因子がHIF-1およびATP7Bに及ぼす作用をsiRNAを作用させることで確認したいと考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、シスプラチンに対する耐性獲得のメカニズムにヘッジホッグシグナルが関与していると考え、解析を始めたが転写因子であるGliの発現と活性に大きな差は見られなかった。この時点では予想から外れたため、研究の大幅な遅れが予想されたが、文献検索活動の結果、新規の転写因子の関与の発見が早期にできたので、初年度についてはおおむね順調な進展状況である。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度はシスプラチンの耐性に関与するメカニズムを解明する。 また同時に作製したEGFRに対する分子標的薬であるセツキシマブ耐性細胞の耐性獲得メカニズムについて解析を始める予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
研究過程でH25年度は予想と異なる結果を得たため、新しい仮説の立案と予備研究に時間を割いたため、当初立案していたよりも物品費の使用割合が少なかった。 次年度からは仮説を証明するための研究に入るため、ほぼ予定通りの使用金額になるものと考える。
|