研究課題
口腔内の環境に適する超小型の3軸加速度センサを選定した。数ある中から、センサの大きさ、感度、出力法、設置法、そして増幅法、解析法までも検討し、大きさが3mmX3mmX1mmのピエゾ抵抗型3軸加速度センサ(HAAB-346A、北陸電気工業、富山)を選定した。歯の表面の限られたスペースに設置し、しかも咀嚼運動を障害しないような体裁にしなくてはならず試行錯誤を重ねた。当院の高度先進医療支援センター 自主臨床研究事務局に実験計画書を提出し、実際の患者での試行のため審査を仰いだ。しかし、生体内に設置するためには、さらにクリアーしなければならない問題点をいくつか指摘され、そのクリアーのため日々、創意工夫を行っている。一方で、実験データの解析のため、センサーを模型に装着して、咬合器上で測定手技を検討した。測定が可能であることは判明し、条件を変えると条件にそった結果は得られるが、現時点はスカラーの値だけであり、2次元のベクトル表示は作図によって求めている状況である。3次元でかつリアルタイム表示に向けて、現在検討中である。また、一個体、一時点での測定は上記の如く可能であるが、その再現性や異なる個体での測定の統一性に関しては難点が残り、その改善の検討も同時に行っている。今後は、3次元表示に加え時間軸を加えた4次元での表示方法も念頭に入れている。
3: やや遅れている
新規の発想であり、測定そのものも心配であったが、実際に測定できることは判明した。しかし、実際の生体への装着には、材料学的、生物学的に難点を残し、改善が望まれる。よって、現在、下記の2本柱で研究を行っているため、やや遅れている。1,口腔内への設置の方法、検討測定装置そのもの材料の改善、設置方法、測定器械との接続法2,測定結果の解釈、解析、そして応用歯列模型に測定装置を装着し、咬合器を用いて実際の咀嚼運動の再現。しかし、手動での咀嚼のためそのタイミング、かかる力の均一性には乏しい状態である。よって、測定ができることは確認したため、その信憑性があがる実験系の確立を行っている。
生体への直接の応用は、改善箇所が多く時間がかかることが予測され、現時点は実験系、解析方法の早期確立に主眼を置いている。また、顎顔面領域の形態的解析は各種行われているが、機能を数字で表す研究は頻繁には行われていないため、今回は咬合に題材にはしているが、従来の古典的な評価に寄らない、顎顔面領域での複雑な運動機能の評価に応用したい。即ち、この分野の発展を見据え、礎となる結果を出す予定である。
今までは、咬合力の測定の実験を手動で行っていた。これは、測定が可能か否かのパイロット的な意味合いがあった。本来は、再現性があり均一の条件で実験行う必要があるが、その条件設定のための期間が長く、自動化が遅れていたため使用額に余剰がでた。
本年は自動化を行うので、費用はかかると考えている。
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