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2013 年度 実施状況報告書

高齢者歯科治療時の異常高血圧を予測する無侵襲モニターの開発に関する研究(VI)

研究課題

研究課題/領域番号 25463131
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

大渡 凡人  東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (80194322)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード歯科治療 / 高齢者 / 高血圧 / システム同定
研究概要

高齢者の歯科治療では様々な全身的偶発症が発生するが、なかでも異常高血圧は非常に多い。異常高血圧は単に血圧が上昇するだけでなく重篤な不整脈、心筋虚血、脳卒中などに進展しうるため、その予防は高齢者歯科治療で重要な意味を持つ。異常高血圧を予防するには精度の高い予測が必須となるが、これまで有用な手段がなかった。そこで、血圧をリアルタイムに制御している生体の複雑な循環制御系をシステム同定という工学的手段により解析し、数学モデルとして現すことにより、異常高血圧を予測できるのではないか、という仮説を立てた。本研究の目的はシステム同定を用いて、高齢者歯科治療における異常高血圧の精度の高い予測方法を確立することである。
循環系の基本パラメータである、血圧および心拍から、閉ループの同定法により、インパルス応答・伝達関数の算出を行い、CUDAによる演算速度改善のための解析系の構築を行った。
循環制御系には主に4つの生理的結合が存在する。すなわち、2つの自律神経を介した結合(①圧受容体における血圧変動と心拍数変動間の結合、②瞬時肺容量変動と心拍数変動の結合)、2つの機械的な結合(③心室収縮とそれによる動脈圧波形の形成における結合、④瞬時肺容量変動と動脈圧変動の結合)が考えられる。
平成25年度は①について、TASK FORCE MONITOR (CNSystems Medizintechnik AG)を用いて、体位変換時のBaroreceptor Sensitivity (Sequence Method)について検討した。対象は若年者6名、高齢者4名とした。Supine->Sitting position時のBP Up-Events(以下BP-UP)およびBP Down-Events(以下BP-DW)におけるBaroreceptor Sensitivityは、若年者群で20.0(S.D.=14.6)(ms/mmHg,以下同様),21.9(12.8),高齢者群で、28.6(31.6),7.5(2.8)であった。統計学的有意差は認められなかった。以上の結果、圧受容体における血圧変動と心拍数変動間の結合において、安定した解を得ることができなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成25年度は圧受容体における血圧変動と心拍数変動間の結合について、TASK FORCE MONITOR (CNSystems Medizintechnik AG)を用いて、体位変換時のBaroreceptor Sensitivity (Sequence Method)について検討した。対象は若年者6名、高齢者4名とした。以上の結果、圧受容体における血圧変動と心拍数変動間の結合において、安定した解を得ることができなかった。研究対象の例数が少なく、解析に用いたソフトウエアが、原データにアクセスできないことと、解析方法、区間を変更できないことがその大きな理由と考えられた。

今後の研究の推進方策

平成26年度は解析対象を増やし、原データの解析区間を設定し直すなどの対策を改めて行い、結果の精度を向上させる予定である。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度はソフトウエア作成に必要なパラメータ等、諸条件が十分に確定できなかった。このため、ソフトウエア作成の依頼ができなかったためである。
追加実験を行い、ソフトウエア作成に必要なパラメータ、諸条件を確定し、依頼を行う予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] 日常生活で発生したクラウン・ブリッジの誤飲・誤嚥2013

    • 著者名/発表者名
      下山 和弘, 大渡 凡人, 清水 一夫
    • 雑誌名

      老年歯科医学

      巻: 27 ページ: 414-420

  • [学会発表] 64歳のアイゼンメンジャー症候群患者の全身管理下歯科治療経験2013

    • 著者名/発表者名
      田山秀策, 大渡凡人
    • 学会等名
      第41回日本歯科麻酔学会総会・学術集会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20131002-20131004
  • [学会発表] 失神の既往を有するQT延長症候群患者の全身管理経験2013

    • 著者名/発表者名
      田山秀策, 大渡凡人
    • 学会等名
      第41回日本歯科麻酔学会総会・学術集会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20131002-20131004
  • [学会発表] Accidental Ingestion of Removable Dentures in Japan.2013

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiro Shimoyama, Tsuneto Ohwatari, Miho Matsuo
    • 学会等名
      The 20th IAGG World Congress of Gerontology and Geriatrics
    • 発表場所
      Seoul, Korea
    • 年月日
      20130623-20130627
  • [学会発表] 70歳以上の高齢歯科患者4848名を対象とした骨粗鬆症治療薬剤に関する統計学的検討2013

    • 著者名/発表者名
      大渡凡人,竹内周平,高橋一輝,上野太郎,中根綾子,寺中,智,梅田慈子,下山和弘.
    • 学会等名
      第24回日本老年歯科医学会総会・学術大会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20130604-20130606
  • [学会発表] 経口摂取再開時期を決定するための客観的指標確立に関する疫学的研究2013

    • 著者名/発表者名
      大庭祥子,大渡凡人,泰羅雅登,寺岡加代,植松 宏
    • 学会等名
      第24回日本老年歯科医学会総会・学術大会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20130604-20130606
  • [学会発表] 噴門側胃切除後の吻合部に錠剤をつまらせ通過障害を引き起こした1症例2013

    • 著者名/発表者名
      見學恵梨子,中根綾子,梅田慈子,吉住 結,寺中智,三串伸哉,齋藤 有美,高島真穂,須佐千明,町田奈美,吉井詠智,鈴木瑠璃子,林田有貴子,村田志乃,関田俊明,大渡凡人
    • 学会等名
      第24回日本老年歯科医学会総会・学術大会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20130604-20130606
  • [学会発表] 抜歯翌日に脳幹出血を発症し死亡した高齢者の1症例2013

    • 著者名/発表者名
      吉井詠智,大渡凡人,竹内周平,上野太郎,常倍健矢,西亀元,下山和弘
    • 学会等名
      第24回日本老年歯科医学会総会・学術大会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20130604-20130606

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公開日: 2015-05-28  

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