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2015 年度 実績報告書

自己血液より精製したフィブロネクチンを用いた骨造成法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 25463136
研究機関山口大学

研究代表者

真野 隆充  山口大学, 医学部附属病院, 講師 (80325125)

研究分担者 梅田 浩嗣  山口大学, 医学部附属病院, 診療助教 (90610618)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードフィブロネクチン / 自己血液 / 骨造成
研究実績の概要

ラット血液より精製した液体をELISAにより吸光度を測定し,フィブロネクチンの存在を確認した.また,精製物を2週間凍結保存し,再度吸光度を測定し,この中にもフィブロネクチンの存在が確認された.よって精製したフィブロネクチンは凍結保存が可能であることがわかった.
12週齢ウィスター系雄性ラットの脛骨に骨欠損を形成し,その中にフィブロネクチン液を満たし,その上から人工骨を填入した.なお,人工骨のみを填入したものをコントロールとした.経時的に脱灰標本を作製し,H-E染色を行い光学顕微鏡で観察した.3日後においては,コントロール群,フィブロネクチン群ともに形成した腔にはまだ血球が充満しており,両者に差はみられなかった.コントロール群においては人工骨周囲に骨新生が進んでいるがその量は少なかった.一方,フィブロネクチン群においては人工骨を取り囲むように骨新生が進み,その厚さや量はコントロール群と比較して明らかに多かった.コントロール群においては皮質骨を削除した部位に骨新生がみられるが,一部連続性がみられず不完全な部位が観察された.一方,フィブロネクチン群においては皮質骨が形成され既存骨と連続した骨形成が観察された.また,両者ともに人工骨は吸収されず一部に残存していた.
以上の結果より,自己血液より精製したフィブロネクチンは人工骨と併用することでより早い骨造成が確認され,フィブロネクチンを用いることで自家骨を用いない新たな骨造成法が行える可能性が示唆された.
今回の研究で,フィブロネクチンにはあまり粘性がなく骨造成を行う部位の形態によってはそこに留まらせることが困難な可能性も考えられた.よって,今後このフィブロネクチンに粘性や接着性を持たせればさらに効果的な骨造成が行える可能性が考えられた.

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公開日: 2017-01-06  

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