研究課題/領域番号 |
25463141
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
廣田 誠 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (20347305)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 顎骨再建 |
研究実績の概要 |
顎骨再建用スキャホールドを作成し、骨芽細胞との親和性評価・ウサギ下顎骨再建試験を実施した。 骨芽細胞親和性評価ではセラッミクス性骨補填剤と比較したが、骨芽細胞および破骨細胞の活性化が亢進された。 ウサギ下顎骨に10㎜長さの区域欠損を作成し、下顎骨の連続性を完全に失わせた状態から欠損部をチタンファイバー製スキャホールドにて再建した。チタンファイバー製スキャホールドは表面および内部のチタンファイバーをハイドロキシアパタイトでコーティングした群と対照群とで比較をした。ウサギ下顎骨を下顎骨上の皮膚切開にて明示し、同材料にて下顎欠損を再建した。術後21週で屠殺し、下顎骨およびスキャホールドを取り出した。 対照群では下顎骨の再生はわずかであり、新しい骨とスキャホールドの結合は弱く、3点曲げ試験による結合部の機械的強さは25N程度であったのに対し、ハイドロキシアパタイトコーティング群では新生骨は下顎骨の連続性をほぼ再現し、新しい骨とスキャホールドとの結合は75N程度と非常に強く、対照群の約3倍であった。 以上のことから1μm以下のハイドロキシアパタイトをコーティングしたチタンファイバーによるスキャホールドは骨親和性が非常に高く、強固な骨再建材料になると考えられた。 チタンファイバー製スキャホールドで再建した下顎骨とチタンプレートのみで再建した下顎骨をCTデータから画像構築し、シミュレーションにて力学的評価を行ったが、チタンファイバー製スキャホールドで再建したものの力学的強度はプレートのみで再建したものの約5倍高く、有用な下顎骨再建材料になり得ると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
金属材料を使用しているためデータ作成時にアーチファクトが生じ、シミュレーションデータの構築が困難であった。そのためデータ構築の際に金属材料を可及的にアーチファクトが生じないようにするために繰り返しデータ解析を実施する必要があり、やや遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
金属データを使用しているためにデータ構築が困難であった。そのためシミュレーヨンデータの再現性に問題があり、単一のデータで繰り返し行うことで対応した。使用するデータ毎に構築方法を微調整することで今後複雑な金属と生体の複合体の解析を実施していく予定。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度に国際学会で発表予定であったがキャンセルしたため、繰越額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度に断念した国際学会での発表を改めて計画し、同時に論文作成(英文校正)および投稿を行う。
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