研究課題/領域番号 |
25463147
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
一戸 達也 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (40184626)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 組織血流量 / 口腔外科手術 / 麻酔薬 / 換気条件 / 相互作用 |
研究概要 |
1. セボフルラン、イソフルラン、デスフルラン麻酔時の口腔組織血流量-量依存性の検討 吸入濃度を0.5、1.0、1.5 MACと変化させた時、セボフルランとイソフルランでは総頸動脈血流量(CCBF)が変化しないのに対して、デスフルランではCCBFが増加した。しかし、口腔組織血流量は、イソフルランで舌粘膜組織血流量(TBF)、咬筋組織血流量(MBF)、下顎骨骨髄組織血流量(BBF)、上顎歯槽粘膜下組織血流量(UBF)、下顎歯槽粘膜下組織血流量(LBF)が濃度依存性に増加したのに対して、セボフルランではTBF、MBF、LBFが、デスフルランではBBFとLBFが濃度依存性に増加したが、その増加の程度はイソフルランのそれよりも小さかった。 2. 亜酸化窒素の口腔組織血流量への影響とレミフェンタニル併用の効果 0.5 MACセボフルラン麻酔下に50%亜酸化窒素を吸入させると、CCBF、MBF、BBF、UBF、LBFが増加した。これに対して、0.5 MACセボフルランに0.4 μg/kg/minレミフェンタニルを併用するとCCBF、TBF、MBF、BBF、UBF、LBFが減少し、50%亜酸化窒素を吸入させると、CCBFは対照値に回復したが、口腔組織血流量は減少したままであった。 3. 動脈血二酸化炭素分圧の変化がデクスメデトミジンによる口腔組織血流量の減少に及ぼす影響 0.5 MACセボフルラン麻酔下では、動脈血二酸化炭素分圧の増減による口腔組織血流量の変化は、0.4 μg/kg/minデクスメデトミジン併用の有無に無関係であった。ただし、動脈血二酸化炭素分圧の増減によるMBF、UBF、LBFの変化の一次回帰直線の傾きはデクスメデトミジン併用時の方が非併用時よりも小さかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度の研究実施計画に記載した多くの薬物について、それらが口腔組織血流量に及ぼす影響を観察した。加えて、平成26年度の研究実施計画に記載した内容についても、動脈血二酸化炭素分圧の変化の影響を検討できた。
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今後の研究の推進方策 |
研究は概ね順調に進行しており、今後は新規備品等の購入予定もないので、引き続き研究実施計画に記載した内容に沿って研究を推進したい。研究論文については、現在、投稿中が2編、投稿準備中が1編となっており、さらに研究成果をまとめていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
今回、次年度使用額が生じた理由は、年度末に文具等の消耗品を購入した際の残金であるため、次年度に問題なく使用可能である。 次年度の実験動物購入費等に充当する。
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