研究課題/領域番号 |
25463158
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
富田 美穂子 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (00366329)
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研究分担者 |
中野 敬介 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (10325095)
寺田 知新 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30345780)
川上 敏行 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (80104892)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 疼痛閾値 / 音楽 / 知覚閾値 |
研究概要 |
本年度は45名の被験者を対象に、知覚・痛覚分析装置(Pain Vision:ニプロ)を使用し、無条件時と3種類の音楽(ポップス・バラード・クラシック)を聞かせたときの前腕と足首の知覚閾値と痛覚閾値、口腔内4箇所(舌・頬粘膜・上顎歯肉・下顎歯肉)の痛覚閾値を測定した。前腕の知覚閾値においてはポップスやバラードに対してクラシック、足首の知覚閾値においては無条件やバラードに対してクラシックを聞いているときの閾値が有意に上昇した。痛覚閾値においては、前腕では他の条件に対してクラシック、足首と舌と頬粘膜と下顎歯肉では無条件やポップスに対してクラシック、上顎歯肉では無条件に対してクラシックを聞いているときの閾値が有意に上昇した。また、バラードを聞かせているときの、前腕における知覚閾値、足首の痛覚閾値、口腔内4箇所の痛覚閾値は、無条件時やポップスを聞かせているときに比較して有意に閾値が上昇した。これらの結果より、知覚閾値や痛覚閾値はスローテンポの曲を聴いているときに、上昇することが明らかとなった。これは音楽の嗜好に関与せず、スローテンポの曲に効果が認められた。 また、足首に80μAの電流を流した時の帯状回の神経活動をfMRIで観察すると、活動していることが明確になった。そこで、特殊なヘッドフォンを使用し3種類の音楽(ポップス・バラード・クラシック)を流し、同様な電気刺激を足首に与えたときに帯状回の神経活動はどのようになるかを見てみると、音楽を聞くことにより被験者によっては帯状回の神経活動が減弱する場合があることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定数の被験者を集め、コントロール(何も聞かせていないとき)と3種類(ポップス・バラード・クラシック)の音楽を聞かせたときの前腕と足首の知覚閾値と疼痛閾値、口腔内4箇所の疼痛閾値の測定が終了しているため。
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今後の研究の推進方策 |
25年度は、45名の被験者において3種類の音楽を聞かせたときの前腕、足首、口腔内4箇所の疼痛閾値と知覚閾値の測定を測定しています。26年度は、それぞれの音楽を聞かせたときの自律神経のバランスをボナディライトを用いて測定し、各条件における疼痛閾値の変化との関係を調べる。また、各音楽を聴いているときの痛みに反応する脳内神経活動はfMRIを用いて調べる。
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次年度の研究費の使用計画 |
不足した消耗品を申請する時期が遅く、納入に時間がかかり納品時期が年度を越えてしまったため。 当初の計画通り、電極等の消耗品やデータ処理のためのコンピューター関連品を購入する予定である。
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