研究課題
本研究では、幼少期に身体抑制ストレスを経験したラットがどのように成長し、成長後のストレス反応のメカニズムや特徴を考察し 、さらに生活リズム、摂食行動、生殖機能に関与する中枢神経系の機能を神経内分泌学的、分子生物学的手法などを用いて調べた。本研究の最終年度の実績を以下に示す。「幼少期身体抑制ストレスが成長後の睡眠行動や摂食行動に対する影響について」幼少期に身体抑制ストレスを与えた3か月後に、行動量(明期の睡眠と暗期の摂食行動)テレメーターシステムにより測定した。テレメーターシステムは超小型センサーを備えた送信器をラット体内に埋め込み、受信器の上に飼育ケージを置き、長時間にわたりに行動量を収録するシステムである。その結果、幼少期に身体抑制を経験したラットは成長後、睡眠時間がフリーランする傾向にあり、一定かつ十分な睡眠ではなかった。摂食行動については、明期にも摂食が見られ、摂食時間の乱れがあった。以上より、幼少期に身体抑制を経験したラットは成長後の生活習慣の乱れが起きている可能性が示唆された。「幼少期身体抑制ストレスが成長後の生殖機能に対する影響について」幼少期に身体抑制ストレスを与えた3か月後に、視床下部内側視索前野における性腺刺激ホルモン放出ホルモンの濃度を測定した。その結果、、幼少期に身体抑制を経験したラットは成長後、性腺刺激ホルモン放出ホルモンの濃度が低く、ホルモン合成能が低下している可能性が示唆された。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件)
Journal of Behavioral and Brain Science
巻: Vol.5 No.3 ページ: 88-95
10.4236/jbbs.2015.53008
巻: Vol.5 No.4 ページ: 130-136
10.4236/jbbs.2015.54013