研究課題/領域番号 |
25463165
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
飯田 順一郎 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (90151232)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 矯正歯科治療 / 微小血管 / 器械的刺激 / 糖尿病 / 歯の移動 |
研究概要 |
1)圧迫刺激方法の開発:動物種として検討した結果、背部皮下組織の血管網を直接顕微鏡下で観察できるdorsal skin chamber 法を用いるために最も適する動物としてハムスターを用いることとなった。背部皮下組織に間歇的刺激を加えるために、biometal fiberを用いた軽量の圧力発生装置(SmartServoRC-1を応用)を開発した。軽量小型化したタイマー回路を自作開発し、任意の荷重・間隔で圧刺激を加えることを可能にした。このタイマーを組み込んだ装置をハムスター背部のdorsal skin chamberに組み込み、現在その作動を検討中である。 2)微小血管における易破壊性の定量的計測:背部皮下組織における出血班数、出血面積を定量的に計測する方法、また出血の生じない刺激の範囲においては、血漿の血管外への流出(血管透過性亢進)を計測する方法(FITCdextran を静脈内に投与し、dextran が血管外に流出する量を光学的に計測する手法)を用いることとし、その計測法の精度、再現性について検討中である。 3)血管新生能の定量的計測:刺激部位の毛細血管長を顕微鏡下で計測する方法を用いる。蛍光を発するFITC dextranを静脈内に投与し、刺激前後で同一部位の画像を解析することで行うが、現在計測方法の精度、再現性の検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
器械的刺激の精度を上げるために、ハムスターに装着して時間的制御をおこなうタイマーの作製に時間を要したために、若干計画よりも遅れているものの、ほぼ順調に推移している。
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今後の研究の推進方策 |
器械的刺激に対する微小血管の反応として、易破壊性、および血管新生能の計測精度、再現性の確認ができたところで、まず健常ハムスターにおける反応を得ることとする。その後、糖尿病ハムスターを作成し、反応性の相異を確認する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験における器械的刺激の発生装置の開発に時間を要したため、本格的な動物実験の開始が遅れている。そのために動物の大量の購入が年度内に行われなかった事、及び実験に用いる器具、薬品の購入が少なかったことが次年度使用額が生じた原因である。 装置がほぼ完成したため、次年度は計測法の精度、再現性の検討を継続し、本実験に入る予定である。健常ハムスターによるコントロールの数値を得た後に、糖尿病ハムスターにおける反応性の検討に入る。
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