研究実績の概要 |
Gタンパク質共役型受容体(GPCR)の中でもセクレチン型であるGPCRクラスBに注目し、骨代謝に関連する受容体とその機能に関して検索を行った。GPCRクラスBに属し膵β細胞に発現するインクレチン受容体(GLP-1受容体およびGIP受容体)は、上部消化管から分泌されるインクレチン(GLP-1、GIP)と結合しβ細胞からのインスリン分泌を促すことが知られているが、我々の先行研究よりこのインクレチン受容体は骨芽細胞に発現してBMP2存在/非存在下において糖濃度依存的に骨芽細胞機能に影響を与えることが判明している。そこで現在このインクレチンシグナルに関与する転写因子を網羅的に検索し、骨代謝との関連を分子生物学的手法により解析を行っている。またインクレチン受容体に関して口腔顎顔面領域における発現部位および機能に関して検索を行ったところ、唾液腺(顎下腺、耳下腺、舌下腺)導管部における発現が確認され分泌能に関与する可能性が示唆された(Journal of Oral Biosciences 57(4) 200-204, 2015)。またラットにおいては舌後方にある有郭乳頭中の味蕾においても発現が確認された(ISOT 2016 発表予定)。これら口腔内に発現するインクレチン受容体に関しても機能検索と骨代謝との関連を現在検討中である。
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