研究課題/領域番号 |
25463171
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
米満 郁男 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00431940)
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研究分担者 |
細道 純 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (00420258)
武居 真希 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (50547445) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 変形性関節症 / 顎関節 / LIPUS / 下顎頭軟骨 / 再生 |
研究実績の概要 |
変形性顎関節症(顎関節OA)を生じた下顎頭の非侵襲的な再生治療法開発のため、ラット顎関節OAモデルを作製し、そこに超短波(Low intensity pulsed ultrasound stimulation: LIPUS)を照射することで、下顎頭の骨のみならず軟骨の修復様相の観察を行うべく実験を行ってきた。これまで膝関節等で一部報告のあるLIPUSによる骨修復のみならず、自己修復能力の乏しい軟骨の修復効果を観察し、明らかにしていくことが、本研究の新規性である。 12週齢のWistar系雄性adult ratを用い、両側顎関節にMIA(monosodium iodoacetate)を注入することで顎関節OAを誘導するモデルを採用した。注入の確認は、contrast agentを用いてmicro CT画像上で確認出来た。 対照群、MIA群、LIPUS群、MIA+LIPUS群の4群に分け、実験を行った。実験期間中、毎週micro CTを撮影し、18週齢まで飼育した。実験期間中、4群間の体重に有意差は認められなかった。3次元的骨微細構造変化について解析したところ、MIAによるOA様の骨破壊やLIPUS照射による骨修復様相を確認することが出来た。今秋の日本矯正歯科学会学術大会にて成果をポスター発表予定である。 今後、軟骨の修復様相についても解析が必要なため、同モデルを用いて顎関節をパラフィン包埋後、矢状断切片を作製し、toluidine blue染色や各種免疫組織化学染色を行うことで、その詳細を明らかにしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
モデルの作製に関して、薬液の注入部位の安定、至適注入量の決定のために多大な時間を要した。また、その確認手段であるmicro CT撮影に関しても、屠殺後のみならず、吸入麻酔下での撮影も行ったため、その手技獲得にも時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
今日まで、micro CTを用いた骨形態解析のみを行ってきたが、今後は下顎頭軟骨細胞の破壊・修復様相についても解析が必要なため、同モデルを用いて飼育、組織切片を作製し、toluidine blue染色や各種免疫組織化学染色を行うことで、その詳細を明らかにしていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度の実験動物センター改築のための実験施設閉鎖に加え、モデル作製およびmicro CT撮影手技の獲得に時間を要し、当初の予定より進捗が遅れたため。
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次年度使用額の使用計画 |
今後、各種組織染色のための物品購入が必要なことや、学術大会への参加、論文投稿に使用予定である。
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