高分子音響カップリング材を用いた嚥下時舌運動測定用アプリケーターを開発し、個性正常咬合者(健常群)および下顎前突症例(下突群)を対象とし、超音波検査により無味の水ゼリー約4.0mlの嚥下時舌運動の測定・解析を行った。 総嚥下時間は健常群と比較し下突群で有意に長かった。舌背部の波形から運動を各部に分類し比較すると、下突群は全ての時間が正常者と延長していたが、特に陥凹消失から口蓋接触までの時間が著しく延長していた。側縁部では健常群で嚥下時速やかに舌表面が上昇するが、下突群では舌表面が上下動する運動が多く観察され、健常群と下突群では嚥下時舌運動様相が異なることが示唆された。
|