研究課題/領域番号 |
25463176
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
齊藤 陽子 新潟大学, 医歯(薬)学総合研究科, 特任助教 (30404487)
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研究分担者 |
瀬尾 憲司 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40242440)
齊藤 一誠 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90404540)
真鍋 庸三 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90248550)
澤味 規 新潟大学, 医歯(薬)学総合研究科, 特任助教 (90710442)
田中 裕 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (50323978)
早崎 治明 新潟大学, 医歯学系, 教授 (60238095)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 小児歯科 / 非協力 / 小児 / 障がい者 / 行動調整 / 歯科治療 |
研究実績の概要 |
障がい者や非協力小児に対する歯科治療において、行動管理は治療の成否をも左右する重要なファクターである。しかし、我々歯科医がそれらをコントロールする手段は多くはなく、レストレーナーと呼ばれる抑制器具を使用したり、併せて人力での固定を試みることが多く、精密作業が求められる歯科治療は困難を極めるのが現状である。 その歯科治療の際には疼痛管理の目的で歯科用の局所麻酔薬を使用することが多く、血管収縮薬であるアドレナリンが添加された薬剤が頻用されているが、近年、そのアドレナリンに代わって「デクスメデトミジン」を添加した薬剤に関する研究が散見されるようになった。デクスメデトミジンは、アドレナリンと比べて心機能への負担が少ない血管収縮薬としても働くが、本来は鎮静薬として市販されている薬剤である。健常人に対する歯科用局所麻酔薬として考えると、その鎮静作用は副作用・デメリットとして考えられることが多いが、障がい者や非協力小児に対しては、行動管理法の一つとして使用できる可能性があり、その可能性を探るのが本研究の目的である。 本年度は安全性の検討を主に進めたが、歯科麻酔関連学会において同様の報告が散見されており、以前に比べ安全性の問題をクリアする根拠が増えてきている。また、本研究と目的は異なるが、局所麻酔を行う際に同様の薬剤を用いる方法が岡山大学より特許申請されており、知的財産の観点からの検討を専門部署へと確認を行った。本研究では他研究と圧倒的に異なる問題として対象が障がい者や非協力児であることが挙げられるが、対象者の呼吸・循環などの解析対象データのばらつきも健常成人に比してはるかに大きいことがわかり、当初の計画では解析が難しい点も上がってきた。そのため研究方法をアレンジする必要が生じ、現在、対策を講じている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究で使用する薬剤は医科領域ではすでに頻用されており、人体へ与える影響は確認されており安全性は担保されていると考えていたが、本研究での使用方法は適応外使用にあたるため、実施に際し安全性の再検討を行うよう倫理委員会より指摘があり、その問題への対策に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
安全性の担保となると、他研究における動物実験の結果等も参考にしなければならない。研究会式よりも他施設での研究成果の発表が散見されるようになり、本研究の安全性の根拠となりうるため、それらの動向を収集している。 また、昨年度に推進方策の再検討を行ったとおり、安全性の検討が必要ではない比較対象群の計測を先行させているが、それを継続しつつ本題の薬剤使用部分が実施可能となるよう、手続きを進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究は類似の研究を参考に研究計画を立案したが、時代背景も異なることから以前よりも安全性の担保や倫理的問題をクリアすべきハードルが上がってる。その問題を解決するためには別の実験系を組むもしくは他施設での結果を根拠とするなど時間を要するために、当初の計画通りにはに進んでいないのが現状である。したがって、最も経費の掛かる薬剤購入や計測センサーの購入ができない状態であり、その部分が次年度への繰り越しとなっている。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度が最終年度となるため、上記問題を早期に解決し、当初では最終年度には想定していなかった消耗品の購入が必要となるため充当する予定である。
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