研究課題/領域番号 |
25463177
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
根本 浩利 大阪大学, 歯学部附属病院, 招へい教員 (80527226)
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研究分担者 |
仲野 道代(松本道代) 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30359848)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 感染性心内膜炎 / 先天性心疾患 / 術前投与 / クリンダマイシン / 唾液 / 母子伝播 / 口腔レンサ球菌 / 耐性菌 |
研究実績の概要 |
健常な母子から唾液検体を採取し、高濃度のクリンダマイシンを含有したレンサ球菌選択寒天培地に播種したところ、小児およびその母親の約30%の対象において培地上にコロニーの発育が認められた。これらのコロニーをピックアップし、菌株からゲノム DNA を抽出して16S rRNA を PCR 法で増幅した後、その遺伝子配列を決定してデータベース上の各種細菌の16S rRNA 配列と比較することで菌種を特定した。また、Random amplified polymorphic DNA (RAPD) 法によるフィンガープリントパターンから遺伝子型の比較を行った結果、これらの対象から5 菌種のレンサ球菌が特定され、いずれも感染性心内膜炎の起炎菌となり得る菌種であることが明らかとなった。次に、分離した菌株の各種抗菌薬に対する最小発育阻止濃度 (Minimum inhibitory concentration; MIC) を米国標準化委員会 (Clinical Laboratory and Standards Institute; CLSI 2011) の方法を用いて決定したところ、他の抗菌薬に対しても高い耐性を示す傾向があることが明らかとなった。さらに、母子間において同一の遺伝子型のクリンダマイシン耐性口腔レンサ球菌を保有していることが明らかとなった。また、母親がクリンダマイシン耐性口腔レンサ球菌を保有している場合には、その子供がクリンダマイシン耐性口腔レンサ球菌を保有している割合は、母親がクリンダマイシン耐性口腔レンサ球菌を保有していない場合にその子供がクリンダマイシン耐性口腔レンサ球菌を保有している割合よりも有意に高いことが明らかとなった 。これらのことから、クリンダマイシン耐性口腔レンサ球菌の母子伝播の可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
予定通りに進めていくつもりである。
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