研究課題/領域番号 |
25463178
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
永山 佳代子 大阪大学, 歯学研究科, 招へい教員 (80546979)
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研究分担者 |
仲野 道代 (松本 道代) 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30359848)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | Streptococcus mutans / バクテリオシン / 臨床分離株 / SmbA / NlmA / う蝕 / バイオフィルム |
研究概要 |
Streptococcus mutans は,口腔内のバイオフィルム中で自らが有利に生存するため,バクテリオシンを産生・排出し,限られた栄養源の中で自らが増殖しやすい環境を作り出す。このことから、バクテリオシンの産生量が齲蝕の発生に大きく関与している可能性が示唆される。本研究では、大阪大学歯学部附属病院小児歯科を受診中の患児よりプラークを採取し、抽出した S. mutans の DNA を用いて、主要なバクテリオシン SmbA および NlmA の産生遺伝子 (smbA および nlmA) の保有パターンを調べた。大阪大学歯学部附属病院を受診された患児 20 人の齲蝕部位および健全部位からプラークを採取し調べた結果、nlmA は多くの菌株で検出されたが、smbA の検出率は低かった。さらに、nlmAと比較して smbA の方が齲蝕部位から分離された菌株より検出された割合が高かった。さらに、これらの菌株を smbA および nlmA 遺伝子の有無により4群に群分けし、各群でのバクテリオシン産生能を検討した。smbA と nlmA をともに保有しない群は他の群と比較してバクテリオシン産生能は有意に低かった。一方、smbA と nlmA ともに保有する群と smbA を保有し nlmA を保有しない群間では有意差はなく、smbAによるミュータシン産生量が高いことが示された。さらに、 smbA および nlmAの有無がバイオフィルム形成能に与える影響を検討したところ、smbAを有する群は、smbAを保有しない群と比較してバイオフィルム形成能は高い傾向にあった。以上の結果から、smbAを保有することが齲蝕原性に大きく影響している可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
計画通り遂行していく予定である。
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