研究課題/領域番号 |
25463196
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
岡山 三紀 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (30382500)
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研究分担者 |
田隈 泰信 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40095336)
荒川 俊哉 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (40306254)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 歯根膜 / メカニカルストレス / 歯の移動 / リゾホスファチジン酸 / 脂質 / 歯根吸収 |
研究概要 |
力学的負荷がLPA を誘導し、歯根膜細胞でどのような細胞内シグナルとクロストークするのかを解明することによって、歯の移動・歯根吸収メカニズムを明らかにする。それによって歯根吸収のない歯の移動をより的確に行うための基礎情報を得ることを目的とした。 歯根膜組織より単離し培養した歯根膜線維芽細胞は、歯根膜マーカー遺伝子と考えられているPLAP-1等の遺伝子発現の低下が見られた。培養歯根膜線維芽細胞において本来の歯根膜の性質を消失したかのような変化が見られた。また、DNAマイクロアレイによる全遺伝子の網羅的な発現解析を行った結果、いくつかの遺伝子発現の低下が同定され、その中にオステオポンチン遺伝子があった。オステオポンチンはインテグリンとの結合による細胞接着に関与する細胞外マトリックスで、メカニカルストレス応答にも重要な働きをする。従って、歯根膜の性質維持にも重要であると推測された。そこで、培養歯根膜細胞にオステオポンチンを強制的発現するプラスミドを導入し、他の遺伝子発現への影響を検討した。歯根膜マーカー遺伝子の発現を解析した結果、PLAP-1のmRNAの発現の上昇が観察された。したがって、オステオポンチンは歯根膜組織おける性質を維持するために重要な働きをしている事が推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
歯根膜組織より単離し培養した歯根膜線維芽細胞は、歯根膜マーカー遺伝子と考えられているPLAP-1等の遺伝子発現の低下が見られた。 培養歯根膜線維芽細胞において本来の歯根膜の性質を消失したかのような変化が見られた。また、DNAマイクロアレイによる全遺伝子の網羅的な発現解析を行った結果、いくつかの遺伝子発現の低下が同定され、その中にオステオポンチン遺伝子があった。オステオポンチンはインテグリンとの結合による細胞接着に関与する細胞外マトリックスで、メカニカルストレス応答にも重要な働きをする。従って、歯根膜の性質維持にも重要であると推測された。そこで、培養歯根膜細胞にオステオポンチンを強制的発現するプラスミドを導入し、他の遺伝子発現への影響を検討した。歯根膜マーカー遺伝子の発現を解析した結果、PLAP-1のmRNAの発現の上昇が観察された。したがって、オステオポンチンは歯根膜組織おける性質を維持するために重要な働きをしている事が推察された。
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今後の研究の推進方策 |
力学的負荷が歯周組織でどのようにLPA を誘導するのか、負荷の強度や時間(持続的・間欠的)依存性について 明らかにし、組織および細胞間での発現比較検討をする。 LPA の産生経路はリン脂質やジアシルグリセロールから2段階を経て産生される事が明らかになっているが、その経路は酵素群の組み合わせによって6通りが明らかになっている。その中でLPA が歯根膜ではどの経路によって産生されるのかを明らかにする。 LPA 受容体は現在LPA1~LPA5, P2Y5, PPARγおよびP2Y10, GPR87 が同定またはその候補として考えられている。そこで、歯根膜でどのLPA 受容体が発現しているかを詳細に検討し明らかにする。また、その下流のG 蛋白のシグナルを解析し、細胞内シグナルを明らかにする
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の日本矯正学会および歯科基礎医学会に参加出来なかっため、旅費分を翌年度に繰り越した。 平成26年度は日本矯正学会および歯科基礎医学会において研究成果発表を行い、他学会において研究成果発表をするための旅費として使用する目的である。
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