研究概要 |
本研究の最終的な目的は,咀嚼筋の生後発達過程における microRNA を介したエピジェネティックな調節機構を明らかにすることであり,咬筋,側頭筋,顎二腹筋等の咀嚼筋の生後発達過程を解明することは,小児への適切な歯科治療を行うための重要な基礎知識となる. まず 1, 4, 8, 12週齢のマウスをエーテル麻酔により安楽死させ,咀嚼筋(咬筋,側頭筋,顎二腹筋)および比較対象のための腓腹筋,前頸骨筋,ヒラメ筋,横隔膜をそれぞれ摘出し,まずReal-Time PCR 法用に total RNA を抽出し,また in situ hybridization 実験用には,4%パラホルムアルデヒド溶液にて固定,保存した. Real-Time PCR 法によりそれぞれの筋における miRNA-1, 206, 133, 24, 29, 181 の発現量を調べたところ,1,4週齢の舌筋では miR-1 が非常に多量に発現し,またmiR-1 と同じターゲットを有するファミリーである miR-206 は4週齢の咬筋に特異的に発現していることが明らかになった. 現在24週齢においても同様の解析を進めている.またこれらの microRNA についてより詳細な解析をするため,さらにこれら以外の microRNA の発現変化を調べるために miRNA アレイ解析を予定し,このための試料の調整を行っている.
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