研究課題/領域番号 |
25463212
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
青木 章 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (30302889)
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研究分担者 |
小林 宏明 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 非常勤講師 (50396967)
竹内 康雄 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60396968)
秋月 達也 神奈川歯科大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (50401378) [辞退]
水谷 幸嗣 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60451910)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 歯周炎 / インプラント周囲炎 / レーザー / LED / 光 / aPDT / 殺菌 / 細胞 |
研究実績の概要 |
1.残存歯周ポケットへのEr:YAG Laser-assisted comprehensive periodontal pocket therapy (Er-LCPT) の評価:21名におけるスプリットマウスデザインでのRCT研究を終了後,統計学的解析を行なった結果,従来のスケーリング・ルートプレーニング単独よりも,Er:YAGレーザー併用療法の方が,ポケット減少量,アタッチメントゲイン量が有意に大きいことを確認した. 2.垂直性骨欠損を有する歯周ポケットへのEr-LCPTの応用による非外科的再生治療法の確立に関する臨床研究:基本治療におけるEr-LCPTの効果を確認し,RCT研究を開始した.Er:YAGレーザーのインプラント周囲炎への応用に関する臨床研究:初期インプラント周囲炎について,Er-LCPT法を応用した症例研究を継続し,その有効性と安全性について臨床成績の評価を行なった. 3.a-PDTの応用に関する研究:赤色色素(ローズベンガル)と青色LEDの併用によるa-PDTの効果が殺菌効果であり,その際にRIN値の評価により,RNAの損傷が生じている可能性があることを確認した. 4.細胞/組織への低出力レーザーの効果に関する研究:ヒト歯肉線維芽細胞に対し低出力Er:YAGレーザー照射を行い,LS/MS/MSの解析結果から,発現の増加したタンパクの中で,レーザー照射後のガレクチン7の発現をPCRとELISAにより確認した.さらに,臨床に近い新たな照射条件における細胞増殖活性のより高い増加を確認し,さらに,各種のサイトカインのmRNA発現の解析を行なった.ラット抜歯窩において低出力半導体レーザー照射による抜歯窩の上皮化の促進と創傷治癒初期の歯槽骨形成促進効果を確認した. 5.歯周治療におけるより効果的なレーザーの開発をめざし,新規に2.7-3.0um帯のCr:CdSeレーザーを開発し,優れた硬組織蒸散能力とその波長依存性を明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
歯肉線維芽細胞を用いたEr:YAGレーザー照射による細胞活性化の実験,および半導体レーザーを用いたラットの抜歯窩の石灰化促進の動物実験において,最適なレーザーの照射条件の設定に時間がかかり,研究の遂行が遅れたため. また,臨床研究で,研究に適した症例を集めるのに時間を要しているため.
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今後の研究の推進方策 |
Er:YAGレーザー照射による細胞活性化の実験,および半導体レーザーによる抜歯窩の石灰化促進の動物実験において,最適なレーザーの照射条件の設定はほぼ完了し,あとは必要な解析を実行する段階であるので,大きな問題はない. また,臨床研究においては,研究に適した症例を集めるために,できるだけ多くの医局員に研究への協力を依頼する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
細胞研究,動物研究,臨床研究に遅れが生じたため,その結果分析等のために物品の購入費を確保する必要が生じ,また,その成果発表のために旅費が必要である.
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次年度使用額の使用計画 |
分析用試薬,材料の購入費,研究成果発表のための旅費に使用する予定である.
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