研究課題/領域番号 |
25463213
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小林 宏明 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 非常勤講師 (50396967)
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研究分担者 |
南原 弘美 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00632168)
小田 茂 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 准教授 (70160869)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 歯周病 / IL-17 / 歯肉上皮細胞 |
研究実績の概要 |
侵襲性歯周炎は早期に急速な骨破壊を呈する特殊な歯周炎であり、若年者に早期発症する。しかしながら、その急速な骨破壊に関しての発症メカニズムには不明な点が多い。IL-17は免疫応答において最も重要なサイトカインの1つであり、現在までに、歯周炎局所でTh17細胞が観察されること、IL-17A, IL-17Fが発現していることが報告され、歯槽骨破壊の主役としてTh17細胞が注目されている。本研究の目的は、侵襲性歯周炎におけるIL-17AとIL-17Fの役割を解析することである。 東京医科歯科大学歯学部附属病院に来院した侵襲性歯周炎患者から、書面での研究同意を得て、末梢血から採血を行った。そして、血清中のIL-17A、IL-17F濃度を測定した。また、ヒト歯肉上皮細胞Ca9-22をIL-17A、IL-17F、LPSにて刺激し、mRNA発現を測定した。 侵襲性歯周炎患者の血清中のIL-17A, IL-17F量と骨破壊の相関を調べたところ、IL-17A, F量が高い患者ほど、侵襲は局所的であり、骨吸収は軽度であった。また歯肉上皮細胞をIL-17A、Fにて刺激したところ、CXCL2、IL-8、β-ディフェンシンのいずれにおいても発現は促進され、LPS存在下ではIL-17AでIL-8とβ-ディフェンシンの更なる発現亢進が認められた。これらの結果から、IL-17A, Fが侵襲性歯周炎患者にとって組織防御的に働いている可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
侵襲性歯周炎患者からの血清サンプリングは順調に行われ、細胞実験も進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
ひきつづき細胞実験をタンパクレベルで解析していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
PCR消耗品の経費を算定していたがサンプル調整が間に合わず、実験を次年度に繰り越すことになったため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
培養細胞の準備が整いしだい研究を行うために必要な消耗品を購入する。
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