研究実績の概要 |
本年度は、ヒト上皮細胞セルラインCa9-22を用いた細胞実験の結果が、プライマリーカルチャーによる培養細胞でも同様の結果を示すかどうかを検討した。 東京医科歯科大学歯学部附属病院歯周病外来にて、本研究に署名で同意を得た患者から、歯周外科手術時に健常な歯肉上皮組織を回収した。歯肉上皮組織をDispase処理後、タイプ1コラーゲンコートの培養皿にて培養を行った。培地はgrowth supplement S7含有のEpiLifeを用いた。培養3~5継代のヒト歯肉上皮細胞を用いて研究を行った。ヒト歯肉上皮細胞をIL-17A, IL-17Fで刺激した後、mRNAを回収し、RealtimePCR法にて、CXCL2, IL-8, β-ディフェンシンの発現を解析した。どちらの刺激においても、CXCL2, IL-8, β-ディフェンシンの発現亢進が認められた。また、タンパクレベルの解析を行ったところ、いずれの刺激に対しても濃度依存的にタンパク質発現の亢進が認められた。 これらの結果から、ヒト歯周組織由来のヒト歯肉上皮細胞は、セルラインCa9-22と同様の挙動を示し、IL-17A, IL-17Fどちらの刺激に対してもCXCL2, IL-8, β-ディフェンシンを産生することが明らかとなった。
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