研究課題/領域番号 |
25463220
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
鵜飼 孝 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (20295091)
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研究分担者 |
原 宜興 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (60159100)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 咬合性外傷 / TNFa / RANKL / 破骨細胞 / 吸収活性 |
研究実績の概要 |
咬合性外傷による骨吸収にはTNFaの関与が考えられる。TNFaの骨吸収への関与を検討することは咬合性外傷のメカニズム解明において重要と考えられる。しかし、TNFa刺激により、吸収能を持った破骨細胞形成の条件は明確になっていない。そこで骨髄細胞から破骨細胞を形成する実験系を確立し、破骨細胞形成におけるTNFaの関与を検討した。 TNFa刺激のみでも多核のTRAP陽性細胞を作ることができたが、吸収能は見られなかった。一定濃度のRANKLを用いて一定時間前刺激した場合、その後RANKLの関与なしにTNFa刺激で吸収能を持った破骨細胞を形成できることを明らかにできた。この時用いたRANKL刺激の濃度は破骨細胞を形成しうる濃度が必要であることが明らかとなった。生体内にはRANKLでプライミングされた破骨細胞前駆細胞が循環していることが報告されてり、今回の結果は吸収局所にRANKLが存在していなくてもTNFaにより骨吸収が起こることを示唆している。 今回の結果は昨年の第35回日本炎症・再生医学会・第1回日本骨免疫会議ならびにアメリカで開催された100th American Academy of Periodontologyの国際学会で発表した。また現在、Archives of Oral Biologyに投稿中である。 またこれまでラットで確立してきた咬合性外傷モデルを応用して、マウスを用いた咬合性外傷モデルの作製中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
咬合性外傷でみられるRANKLとTNFaの破骨細胞形成への相互作用を明らかにでき、論文の投稿まで進んでいるのでおおむね良好と考える。
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今後の研究の推進方策 |
まず、現在進行中のマウス咬合性外傷モデルを確立し、in vivoにおけるTNFaの関与を検討する。吸収局所でのTNFaの存在を免疫染色で検出し、抗TNFa抗体を投与することでTNFaの影響を検討する。 次に外傷時にみられる骨細胞のアポトーシスが骨吸収に影響するかどうかを検討する。アポトーシスを抑制することで骨吸収が減少するかどうか。また骨細胞がアポトーシスすることにより、RANKLやTNFaの発現にどう影響するかを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度確立予定であったマウス咬合性外傷モデルがまだできておらず、確立後に購入予定であった抗体をまだ買っていないため。
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次年度使用額の使用計画 |
前年度購入予定であった抗体を予定通り購入する計画にしているので、予定通り予算を使用する予定である。
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