研究課題/領域番号 |
25463221
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
臼井 通彦 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (10453630)
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研究分担者 |
清水 孝彦 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (40301791)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | SOD2 / 酸化ストレス / 歯周組織 |
研究概要 |
SOD(superoxides dismutase)は酸化ストレスによって生じるROS(reactive oxygen species)の起点物質であるスーパーオキサイドを過酸化水素と酸素に変換する酵素で、酸化ストレス防御因子として働く。近年、歯周病に罹患した歯周組織において酸化ストレスが生じていることが報告されているが、SODの歯周組織における役割については不明な点が多い。歯周組織における酸化ストレス防御因子・SOD2の役割を明らかにするために、DMP1cre-SOD2欠損マウスの解析を行った。DMP1cre-SOD2欠損マウスはDMP1 cre トランスジェニックマウス(Lu Y et al., J Dent Res 2007)とSOD2 floxマウスを交配することにより、作成した。8週齢のDMP1cre-SOD2欠損マウスにおいて、セメント質肥大の表現型を確認することができたので、その表現型の出現時期を確認するために、さらに若い週齢のマウスを用いて、解析を行った。3次元マイクロCTを用いて、セメント質・歯槽骨の表現型について精査した結果、野生型マウスと比較して、有意な差・違いを見出すことができなかった。また、切片を作成し、HE染色した標本にて、セメント質・歯根膜・歯槽骨の構造について精査した。1,2週齢のDMP1cre-SOD2欠損マウスと野生型マウスの間に有意な差は見られなかった。4週齢のDMP1cre-SOD2欠損マウスでは野生型に比較して、セメント質がやや肥厚する傾向が観察された。今後、12週齢、16週齢のDMP1cre-SOD2欠損マウスについても、セメント質肥大の表現型の確認を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1、2,4,8週齢のDMP1cre-SOD2欠損マウスの解析(マイクロCT並びに組織切片)は終了したが、それ以降の週齢の12、16週齢のマウスの解析を行うことができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度予定していたDMP1cre-SOD2欠損マウス(12、16週齢)の解析に加えて、セメント芽細胞におけるSOD2の役割を明らかにしていく予定である。まず最初に、セメント芽細胞にSOD2を過剰発現させ、その増殖・分化に対する影響を検討する。次に、セメント芽細胞にSOD2 siRNAを導入することにより、ノックダウンし、その増殖・分化に対する影響を検討する。増殖はMTT assay, 分化はセメント芽細胞分化マーカーDMP1, PHEX遺伝子発現をreal-time PCR法にて検証する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究成果発表並びに資料採集のために京都にて開催された日本再生医療学会学術大会に参加予定であったが、年度末業務多忙のため参加する事ができなくなってしまい、その旅費として計上していた分が繰越金として発生した。 今年度末(2015年3月)に開催される同学会に、参加・研究成果発表の際に国内旅費として使用する予定である。
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