研究課題/領域番号 |
25463222
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
園木 一男 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (50316155)
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研究分担者 |
井上 博雅 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (20137326)
引地 尚子 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (50292876)
辻澤 利行 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (60265006)
村岡 宏祐 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (80382422)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 動脈硬化 / 歯周病 / 糖尿病 / lipopolysaccaride / 血糖 / 臍帯静脈内皮細胞 / MCP-1 |
研究実績の概要 |
脳梗塞、心筋梗塞などの心血管疾患は動脈硬化が原因であるが、血管内皮細胞が産生する単球走化性因子(monocyte chemoattract protein-1: MCP-1)は単球の内膜下への集簇を促進するため動脈硬化が進展する。歯周病菌Porphyromonas gingivalis由来lipopolysaccaride(LPS)や糖尿病による高血糖がMCP-1の発現を増加するが、高血糖がLPSによるMCP-1発現に影響するのかは検討されていない。そこで、臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を用いて、高濃度のglucose下でLPSを投与し、通常glucose濃度下で投与した場合と比べMCP-1の発現が増強するのか検討した。 HUVECのMCP-1 mRNAの発現は、2時間培養では通常の培養液中glucose濃度99mg/dLより180あるいは360mg/dLの高濃度glucoseで増加した。LPSを 0.1、1.0、10μg/mLで投与し、2時間培養したところ、10μg/mLでLPS未投与よりMCP-1 mRNAの発現が増加した。LPS 0.1μg/mLで2時間培養時に培養液中glucose濃度を99mg/dLから180mg/dLあるいは360mg/dLに上げると360mg/dLの高濃度でglucose濃度99mg/dLよりMCP-1 mRNAの発現が増強した。LPSを0.1μg/mLとし、培養液中glucose濃度を99、180、360mg/dLに変え、2、6、12、24時間培養後の培養液中のMCP-1蛋白濃度を測定した。高濃度glucose 180mg/dLあるいは360mg/dLは6、12、24時間培養でLPS 0.1μg/mLによるMCP-1蛋白の産生をglucose濃度99mg/dLより増強した。このことから高濃度glucoseはLPSによるHUVECのMCP-1蛋白産生も増強させていると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
LPS濃度は0.1μg/mLとし、培養液中glucose濃度は99、180、360mg/dLの3つの濃度で2時間培養するという実験条件が、高濃度glucoseによるLPSのMCP-1 mRNA発現の増強を明らかにした。またMCP-1蛋白においても培養時間は違うが同様の実験条件で高濃度glucoseによるLPSのMCP-1蛋白の発現増強作用を明らかにできた。
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今後の研究の推進方策 |
高濃度glucoseによるLPSのMCP-1発現増強作用の機序の解明を行うとともに、高濃度glucoseによるLPSのMCP-1発現増強作用を抑制する物質の探索を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度の終わりに1,006円と少額の残高となり、購入できる物品がないため、平成27年度の交付金と合わせて使用するため
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度の交付金500,000円と合わせて物品費として使用予定
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