本研究では、P.gingivalis由来LPSをヒト歯周組織由来細胞に長期間作用させた際のエピジェネティクス変化について研究した。ヒト歯周組織由来線維芽細胞へのLPS長期刺激により、fibronectin type III(FN)、αI(XII)collagen(XII-collagen)及び細胞外基質タンパク関連遺伝子のDNA高メチル化とmRNA発現減少を認めた。タンパク質解析でもXII-collagenとFNの発現が減少し、脱メチル化剤により発現回復した。この結果、歯周病原菌由来LPSは、エピジェネティクス修飾を介した遺伝子発現低下により歯周疾患の発症や進行に関与していることが示唆された。
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