本研究の目的は、妊娠糖尿病に罹患する妊婦への歯周病の影響を調査することである。アジア人は遺伝的に糖尿病を発症しやすく、また妊婦の高齢化に伴い妊娠糖尿病の発症増加は懸念される。しかしながら、これまでに日本を含むアジア人に関する妊娠糖尿病と歯周病に関する報告はない。 本研究は、昭和大学病院産婦人科、糖尿病内科の協力のもと実施予定で研究計画を立案した。しかし、産婦人科妊婦検診のシステムが変更になり、研究に協力できる環境が整わなかったため調査を実施しなかった。新システムでの妊婦検診での環境が整備されたため、計画を一部変更し、調査を開始する。 当初の計画ではSNPsの解析を実施する予定であったが、現時点では妊娠糖尿病と歯周病との関連性は明らかではないため、SNPsの解析は計画から削除する。その代わりに、これまで歯周病原細菌の感染度を調査する項目として血清抗体価の測定のみだったが、唾液中の歯周病原細菌数をPCR法にて測定することを追加する。今回の研究結果より妊娠糖尿病と歯周病に関連性がある傾向が認められた場合は、改めて別の研究としてSNPsを解析する研究計画を立案する予定である。
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